明治安田生命J2リーグ第12節でジェフユナイテッド千葉がアウェーでレノファ山口FCと戦って、1-0で勝利。連敗を2で止めた。続く第13節ファジアーノ岡山戦で今季ホーム初勝利を狙う。その山口戦はキックオフから3-4-3のシステムで戦ったが、好感触を口にするのがGK新井章太。最後尾から見つめるチームの成長ポイントとは?

上写真=新井章太は序盤は負傷があったが、ピッチに帰ってきてからはさすがのリーダーシップを発揮している(写真提供◎ジェフユナイテッド千葉)

「みんな、ボールを受けやすそうにしています」

「手応え、あります!」

 ジェフユナイテッド千葉の守護神、新井章太から歯切れのいい答えが返ってきた。J2第11節アルビレックス新潟戦の前半途中で、3-3-2-2の選手の配置に手を加えて3-4-3にフォームチェンジ。0-2で敗れはしたものの、首位を快走する新潟の攻撃に対しても安定した守備を見せると、続く第12節レノファ山口FC戦でも採用して1-0の完封勝利を手にしたのだ。

 前線の3人がしっかりと規制をかけながら寄せていって、ボランチ2人とウイングバック2人で構成される中盤の4人がバスの出どころを狙っていく。押し込まれればウイングバックがさらに下がって5バックにも移行できる。

「守備をするときも攻撃をするときも距離感がいいと感じていますね。4-4-2や4-2-3-1に比べて無駄がないという感じです。欲を言えば、僕も使いながらポゼッションできればいいんですけど、3バックなので僕が入るとバランスが悪くなるので、いまは最後のサポートという形でやっています。みんな、ボールを受けやすそうにしていますね」

 単に机上の空論で終わっていないところが、新布陣の好感触につながっている。

「中盤はボランチが一人になったりとレパートリーがあるんですけど、いまは距離感よく守備からの攻撃できているので、手応えはあります」

陽気なサウダーニャ

 正しい距離でつながっていることは、まず相手ボールを奪い取るところで効果を発揮する。

「最初のころは人によってプレスのかけ方が変わっていた部分はあったんですけど、いまは全体が共通意識として持てるようになってきて、例えばここはボランチが出てもいいんだ、とかが分かってきています」

「去年から比べても、3バックになってボールに行けないとか人に行けないという場面が少なくなりました」

「ディフェンダーも流動的にスペースを埋めたり選手についたりと、タイトなディフェンスができているのかな。前の選手が頑張って限定しくれているからこそですけど、いい守備ができていると思います」

 ゴールを預かる最後の砦としては、安定した守備がチームの礎になるという実感を頼もしく感じている。そうなると次のステップは、「どう攻撃につなげるかだけ」だろう。

「誰が出てもバランスよく守備からの攻撃ができているので、あとは攻撃につなげる第一歩目のパスを正確につなげることによって、いろいろな選手が出ていける怖いチームになれると思います」

 まさに山口戦で好例がある。40分の船山貴之のゴールを導いたのは右サイドからのクロスだったが、送り届けたのは岡野洵。3バックの右を担当する選手だ。ウイングバックの伊東幸敏が中に入っていくことで空いた右外のスペースに、最後列の岡野が出ていったのだった。

「ゴールに向かう姿勢とか、どういうプレーがディフェンスにとって嫌なのかをもっと考えてプレーすることを望んでいます。サウダーニャが入って仕掛けるといったゴール前のプレーが増えるので、いまから楽しみですね」

 新潟戦に途中交代してデビューした新戦力の存在が光明だ。

「初日から初めてじゃないような感覚の選手なんですよ。性格的にも陽気で、これからこのチームを明るくしてくれそう。いろんな面で期待しています」

 新システムと新戦力。千葉がいま、次のステップに進もうとしている。