4月17日の明治安田生命J2リーグ第8節で、ファジアーノ岡山と水戸ホーリーホックが対戦。今季ホーム初勝利に向けて前半に先制した岡山に対し、水戸が終盤の2得点で逆転勝利を収め、連敗を2でストップした。

上写真=水戸がアウェーで先制されたものの、中山仁斗(9番)の同点ゴールなどで2得点を奪って逆転勝ち(写真◎石倉利英)

■2021年4月17日 J2リーグ第8節(@Cスタ:観衆2,902人)
岡山 1-2 水戸
 (岡)下口稚葉
 (水)中山仁斗、松崎快

・岡山メンバー◎GK金山隼樹、DF河野諒祐、井上黎生人、濱田水輝、下口稚葉、MF上門知樹(77分:川本梨誉)、白井永地、疋田優人(77分:喜山康平)、木村太哉(85分:野口竜彦)、FW齊藤和樹(85分:宮崎幾笑)、山本大貴(77分:福元友哉)

・水戸メンバー◎GK牲川歩見、DF柳澤亘(76分:村田航一)、住吉ジェラニレショーン、タビナス・ジェファーソン、三國スティビアエブス、MF木村祐志(55分:奥田晃也)、鈴木喜丈(55分:平野佑一)、森勇人、FWブラウンノア賢信(61分:松崎快)、中山仁斗、安藤瑞季(76分:深堀隼平)
 ※実際のポジションで表記

試合終了直前の逆転ゴール

 前日からの雨が当日も降り続いた岡山地方だが、キックオフ約2時間前に雨は上がり、日差しも差し込むように。ピッチに水が浮くことはなく、ボールスピードが速くなる状況で両チームの激しい攻防が繰り広げられた。

 前半は、水戸の秋葉忠宏監督が「左サイドを徹底的に狙われた」と振り返ったように、ロングパスを効果的に使って攻め込む岡山のペースで進み、ボール奪取からの素早い展開でチャンスを作る。だが31分にMF上門のパスからMF疋田が狙ったシュートは上に外れ、35分にはMF白井の左CKをMF上門がバックヘッドで狙ったが、右ポストに当たって決まらない。

 しかし、その後も優勢に進めた岡山は、前半アディショナルタイムの45+1分に均衡を破る。白井の右CKをDF濱田がヘッドで合わせると、ファーサイドに流れたこぼれ球にDF下口が反応、詰めてきた水戸GK牲川よりも早く左足で蹴り込んだ。

 良い時間帯に先制して後半を迎えた岡山は、53分にも上門が惜しいミドルシュートを放つなど押し気味に進めたが、徐々に敵陣でのプレー精度が落ち、チャンスを作れなくなっていく。水戸は少しずつボール支配率を高めると、70分にMF松崎のドリブル突破からゴール前に侵入。FW安藤のパスからエリア内で抜け出したFW中山がシュート、岡山の守備陣が何とか防いだが、ボールが再び中山の元にこぼれ、そのまま右足で蹴り込んで同点とした。

 その後は息を吹き返した水戸が押し気味に進めたものの、岡山も86分に下口のセンタリングをFW池元がヘッドで合わせてゴールを脅かす。一進一退の攻防が続いたが、次の1点を奪ったのは水戸。試合終了間際の90分、MF森のパスから松崎が中央をフリーで抜け出すと、最後は岡山GK金山との1対1を冷静に沈めた。

 結局、そのまま2-1で水戸が逆転勝利を収め、連敗を2でストップ。前節から先発を5人入れ替えて臨んだ秋葉監督は、前半の出来について「我々の良さは全く出せず、球際も、競り合いも、1対1も、すべて持っていかれて、正直サッカー以前の問題」と語った。しかし、ハーフタイムに戦う姿勢を再確認して迎えた後半は「選手たちが意地を見せてくれて、修正してくれたのが大きかった」と振り返っている。
 
 さらに、後半に選手たちの判断で戦い方を変えたことについても触れ、「自分たちの肌感覚を大事にしなさい、自主・自立してくれと言っている。システムを変えようと思ったが、中で選手たちが『これで行きます』と判断して、しっかりと2点取ってみせた」とコメント。「監督はいらない、本物の、一流のフットボーラーになったと感じた」と喜んでいた。

現地取材・写真◎石倉利英