4月10日の明治安田生命J2リーグ第7節で、東京ヴェルディの加藤弘堅がJリーグ通算300試合出場を達成した。5クラブでJ1、J2、J3にプレーしてきたDFは、この日のレノファ山口FC戦でもタイトな守備を披露。3-1の勝利に貢献してチームの反発力を仲間とともに見せた。

上写真=試合後にサポーターに勝利を報告。加藤弘堅はJリーグ通算300試合出場を達成した(写真◎J.LEAGUE)

■2021年4月10日 明治安田生命J2リーグ第7節(@味スタ/観衆2,377人)
東京V 3-1 山口
得点:(東)佐藤凌我、山下諒也、小池純輝
   (山)小松蓮

前節水戸戦で得た大きなヒント

「300試合」のご褒美は、快勝だった。

 東京ヴェルディは4月10日にレノファ山口FCを迎え、先発した加藤弘堅はJ1、J2、J3の通算で300試合出場を達成した。その記念の試合で3-1の完勝。

「今日は勝ち星で終えられましたけど、負けて苦しい試合が圧倒的に多いんですよね。でも、多くの人の助言を受けながらここまで来ることができたので、一つは感謝の気持ちが大きいのと、この300は通過点でいられるように、400なのか500なのかに行ければいいのかなと思います」

 京都サンガF.C.、カターレ富山、ザスパクサツ群馬、ギラヴァンツ北九州、そして東京Vでプレーしてきた苦労人は、この山口戦ではセンターバックに入り、CKから1失点は許したものの、相手にチャンスらしいチャンスを作らせなかった。

 その守備のリズムを生んだのは、開始早々の4分のシーンかもしれない。カウンターを浴びて最後は小松蓮にシュートを打たれ、GKマテウスを破られた。しかしそこにさっそうと現れたのが加藤。ゴールライン寸前でクリアして、ピンチを防いだ。

 ただ本人としては、そこに至るまでの流れに納得がいかない。攻めたあとに奪われてロングパス一本で左サイドを破られたが、「リスク管理というか僕の不注意でした。声をかけることやポジショニングでピンチを招いてしまった」と反省するのだった。

 第5節のアルビレックス新潟戦で0-7で敗れ、続く第6節では仕切り直して水戸ホーリーホックに2-1で勝利。これが大きかった。その「反発力」を本物にするためにも、山口戦での勝利が必要だった。

 加藤が考えるポイントは「コンパクト」。

「守備のときのチームのポジショニングでコンパクトになって連動していい形で奪えると、そのままの流れで持っていけたり、攻め急がずにカウンターの選択肢を持ちながらも保持して狙うというのを、前節の水戸戦の後半に僕を含めて選手自身に大きなヒントがあったんです。コンパクトにして連動して攻守ともにできたらいいと今日の試合前にも話していて、それで連動できて、うまくいかないこともあるけれど我慢しながらできたのが大きいですね」

 新潟戦での大敗と水戸戦の勝利という流れを踏まえたこの勝利で、大切なものがより濃厚に明確に浮かび上がった。加藤はそれを、301試合目からも続けていく。

取材◎平澤大輔 写真◎J.LEAGUE