3月28日、明治安田生命J2リーグは第5節が開催され、水戸ホーリーホックは松本山雅FCとケーズデンキスタジアム水戸で対戦。前半に何度かピンチを迎えるも、GK牲川歩見の好守などで無失点でしのぎ、後半の中山仁斗と安藤瑞季のゴールで勝利を手にした。

上写真=2試合連続完封を果たしたGK牲川歩見(写真◎J.LEAGUE)

■2021年3月28日 J2リーグ第5節(@Ksスタ/観衆2,127人)
水戸 3-0 松本
得点:(水)中山仁斗2、安藤瑞季

仲間への信頼。「後ろから見ていて安心感があります」

 守護神の好守が、3-0の快勝を引き寄せたとも言えるのかもしれない。

 前半は松本の攻勢を受けたが、水戸のGK牲川歩見がゴールを許さなかった。最大のピンチは22分。表原玄太のクロスから河合秀人に至近距離でシュートを打たれるも、指先でボールを弾いてバーに逃れた。

「クロスに対して混戦になったところで(シュートを)打たれたと思うんですけれど、自分としては近くに飛んできたボールに反応しようと準備していたので、それで防げたという形でした」

 牲川は淡々と話すも、相手の先制点を阻止したことは、のちの試合展開にも大きな影響を及ぼしたことだろう。キャプテンの中山仁斗が「前半は押し込まれたけれど(失点を)ゼロで抑えられたのがすごく大きかった」と勝敗のポイントについて言及すれば、対戦相手の松本の篠原弘次郎も「(ゴールを)1つ取れれば、2点、3点と取れた試合内容だった」と振り返ったほどだ。

 それでも、牲川はいたって謙虚だ。GKとして2試合連続完封勝利をもたらしながらも、あくまでフィールドの仲間たちの活躍ぶりを強調する。

「この2試合を通して、チーム全体で相手に向かって自分たちの良さを出すんだと、しっかりと取り組んできた成果が出たかなと。(味方の)選手が危険なところでしっかりボールに寄せられているところがすごく大きいです。後ろから見ていても、すごく安心感があります。守りやすい形になってきているなと思います」

 昨季はリーグ最多の68得点をたたき出したものの、「62」というリーグで4番目に多い失点数が足かせとなった。だからこそ、水戸の守護神は決意を新たにし、今季を戦っている。

「最後にゴール前でやられないことが、シーズンを通してすごく大事だと思っています」

 195センチの長身を誇る背番号16が、高みを目指す青きイレブンを最後尾で支えていく。

取材◎サッカーマガジン編集部 写真◎J.LEAGUE