東京ヴェルディの富澤清太郎が、新潟の地に帰ってきた。かつてアルビレックス新潟に所属したベテランDFが明治安田生命J2リーグ第5節で古巣と対戦。懐かしのスタジアムで0-7という衝撃的な大敗を喫して改めて気づいたこととは?

上写真=富澤清太郎がビッグスワンに帰ってきた。「個人的な話になるけれど、良かった」(写真◎J.LEAGUE)

「またこのピッチに戻ってくることができるとは」

「カンペーさん」がデンカビッグスワンスタジアムに戻ってきた。

「ここを離れて約2年、またこのピッチに戻ってくることができるとは、当時は思っていませんでした。戻ってくることができて、皆さんの前でプレーできて、いまの姿を見てもらえて、個人的な話になりますけれど、良かったと思います」

 東京ヴェルディの富澤清太郎は2017年から2年間、アルビレックス新潟の一員としてこのスタジアムで勇躍してきた。新潟にとってはこの2年は苦しい時期で、17年にJ2降格を経験した。

 富澤は18年限りで新潟を離れて当時J3のSC相模原へ移籍、2年を過ごして悲願のJ2昇格を達成したあと、アカデミー時代から所属した東京Vに戻ってきた。そして、この第5節のアウェーの新潟戦で永井秀樹監督から今季初先発を告げられたのだ。

 新潟も、富澤も、さまざまな喜怒哀楽を重ねて、再会した。

 そのゲームで富澤はフル出場を果たした。だが、90分とアディショナルタイムを終えたあとには厳しい現実が待っていた。0-7の大敗。

「失点の部分で言えば、どうしてもミスからの失点が多かったと思っています。前と後ろのところで距離が生まれる部分は修正していかなければいけないのは当然ですが、早く失点して取り返さなければいけなくなったのでそうなったところもあります」

 個人のミスとポジショニング。ベテランが見たのは、大敗だからこその基礎の緩みだった。そして強調したのが、サッカーは90分で決着をつける、という事実。

「みんな一生懸命やるべきことにトライしていて、入りの部分はアグレッシブにボールを保持してできたと思います。でもやはり、慌てず90分の戦いができたのが新潟さんでした。僕たちは、この言葉が合っているのか分からないけれど、焦りというか、そういった部分が失点につながってしまったと思います」

 前半に2失点して折り返した時点では、まだ負けていたわけではなかった。しかし、気が急いて同じようなミスを繰り返し、次々にゴールを割られた。

「90分の戦いなので悔しいですが、これを良い教材にして同じことを繰り返さず新潟さんのように勝っていけるようになればと思っています」

 富澤清太郎、38歳。いくつになっても学びはある。懐かしのスタジアムがそのことを教えてくれた。