レノファ山口FCの渡邉晋監督が、今季初勝利への決意を語った。3月27日にジュビロ磐田とアウェーで対戦。チームの着実な成長への手応えを胸に、難敵から勝ち点3を奪うべく燃えている。

上写真=オンライン取材で報道陣の質問に答えた渡邉監督(写真◎スクリーンショット)

「我々には前に進んでいく資格がある」

 山口は明治安田生命J2リーグで2分け2敗と、まだ白星がない。25日の練習後のオンライン取材で渡邉監督は、チームの現状について「まだ勝ち星に恵まれていないので、何か大きな自信をつかんでいるかというと、そうではない」と語る一方、「少しずつ良くなってきているのは間違いない。そこに矢印を向ければ、我々には前に進んでいく資格があると思っているし、実際に選手たちも、そのような表情を見せてくれている」と手応えも口にした。

 選手の成長についてもコメント。開幕からCBの一角でフル出場を続けている4年目のDF楠本卓海については「隣に渡部博文という経験値のある選手がいることで、キャンプやプレシーズンで多くのことを学んでくれていると思う」と語っている。「ストロングポイントとしてフィードの良さなどがありますが、まずセンターバックとして守ることにおいて、非常に成長した姿を見せてくれている」と評価し、「ビルドアップで毎試合ヒヤヒヤするようなところがあるので、個人的に映像を見せて、話している。もっと成長して守備の安定、フィードの質の違いを見せてくれると期待している」とコメントした。

 また、福岡大から加入したルーキーで、4試合連続で途中出場しているFW梅木翼については「彼の良さを発揮できるように考え、動き出しのコース、タイミングはプレシーズンから要求していて、そこを上手に取れるようになってきた」といい、「途中から出てくる時間帯、スコアが難しい状況ですが、走力やパワーでチームを活気づけているのは間違いない。チームへの貢献度は高いですし、引き続きやってほしい」と期待を寄せた。一方で「もう一つの武器である、クロスに入っていくところで苦労しているので、この前の試合後に個人的に話をした。いろいろなことを考えて、新しくトライしている最中だと思う」と現状を分析している。

 27日にアウェーで対戦する磐田は、開幕2連敗後に2連勝と調子は上向き。渡邉監督は「選手の層と質、クラブの歴史や規模を考えると、間違いなくJ2では最上位にランクするクラブだと、ミーティングで選手にも伝えた」という。

 しかし、だからといって「腰が引けたプレーをしない、そこはしっかり見せようと選手にも話した」と明かした。「絶好の機会、大きな獲物で、何としても仕留めてみせようと話している。選手もそういう思いで日々トレーニングに励んでくれている」と意気込んだ。

 特に注意すべき選手は誰か、との問いに「一人には絞れないですね」と答えたものの、「期待されている答えは遠藤(保仁)選手でしょう。そこは間違いなく、警戒しなければいけないポイント」と続けた。そこにばかり気を取られることを警戒しつつ、「しっかり蓋をしなければいけない場所、ポイントは優先順位をつけて選手に伝えている。その優先順位で上位になるのは間違いなく、遠藤選手のところ。彼の前線へのパスを出させないような守備を見せなければいけない」とゲームプランの一端を明かしている。

 また、今回の試合はヤマハスタジアムではなく、エコパスタジアムで開催される。「個人的には初のエコパなので、楽しみにしている」と語った渡邉監督は「我々のホームスタジアム(維新みらいふスタジアム)も陸上競技場ですから、景色にそれほど大きな変わりはないと思う」とコメント。さらに「ヤマハスタジアムで、たくさんのサポーターが入って景色が水色になると、かなり圧がかかる。そういったことを考えると、エコパの方が、もしかしたら伸び伸びとプレーできるかもしれない。あまりナーバスになることはないと思っています」と当日の状況をイメージしていた。