京都サンガF.C.のチョウ・キジェ監督は中断となった大宮戦で奪ったゴールに、確かな手ごたえを感じていた。それはゴールを奪う過程で、チームの狙いが見事に表現されていたからだ。着実な進歩を確認しつつ、週末の磐田戦へ臨む。

上写真=大宮戦から意識を切り替え磐田戦に集中していると話したチョウ・キジェ監督(写真提供◎京都サンガF.C.)

目指す形がくっきり見えてきた

 前節の大宮戦は開始18分で激しい雷雨により中断となり、そのまま試合は中止されることになった。すでに再試合(19分以降の72分間を実施)が24日に決定しているが、わずかな試合時間ながら武富孝介の得点で1-0とし、リードを奪うことに成功。指揮官はチーム状態に確かな手ごたえを感じている。

「2試合を経たことで自分たちが目指す形というのが、はっきりした。開幕してみないと実感としてつかめないものだが、ここまでの2試合を通じて、よりくっきり見えてきた。大宮戦も多少押されるところもありましたけど、落ち着いて自分たちの形で点を取れた。そこは、一つ大きな成長だったと思います。もちろん、得点のあと、僕も選手も試合をやりたかったんですけど、それは仕方がないこと。今は磐田戦に向けてまた準備しています」

 大宮戦のゴールは、チームがここまで取り組んできたことを確認できる点の取り方だった。チョウ・キジェ監督が説明する。

「どのポイントを押さえて、何をテーマに、何を大事にしていけば得点が取れるのか。そういう部分を大事にして、こだわってやっています。得点につながらないボールキープやプレーの選択というものをできるだけ排除する。ゼロにするのは難しいかもしれませんが、そぎ落としていく中で、(あのゴールは)スローインから始まり、そのボールが相手に渡らずにゴールまでいけた。それは、狙いが浸透してきたという印象がありますし、ああいう場面をもっとたくさん出したいと思います」

 武富のゴールのスタートは自陣右サイドのスローインだった。飯田貴敬が前線にロングボールを送り、武富がポスト役になってウタカに胸で落とす。ウタカはダイレクトで左サイドでフリーになっていた荻原拓也へ展開。荻原の左足シュートは一度は大宮のGKに弾かれたが、ゴール前に詰めていた武富が押し込んでネットを揺らした。流れるような攻撃から奪った得点だった。

 ゴールに向かう姿勢。ダイレクトな展開。連動性とサポート意識。そしてシュートへの意欲。チームが狙いとするところが一連のプレーに凝縮していた。指揮官が手応えを感じたのは当然だった。しかも、ゴールを奪った武富は今季初出場。キャンプから積み上げ、トレーニングで磨いてきたことがチーム全体で共有されていることを証明してもいた。チームが前進していることを実感できたことは大きい。

 次戦は21日、ホームの磐田戦だ。チョウ・キジェ監督は「リーグの中でもポゼッション率が非常に高いチームですし、ボックス内に入る数や相手コートで試合をするというところで百戦錬磨の選手が多い。非常に経験の豊富な押さえるところ押さえてくるチーム」と相手の印象を語った。その上で「警戒するところは警戒して対策を立てますけども、対策が自分たちの良さを消してしまったら本末転倒。やっぱり自分たちというものを出しながら彼らの良さを抑えていくという戦い方をしたい」と意気込む。

「非常にいい試合ができる相手だと思いますし、お客さんも来てもらえるという話は聞いているので、楽しみです」

 無敗記録継続だけに留まらず、今季2勝目を。指揮官は、チームに芽生えつつある自信をさらに大きくするつもりだ。