京都サンガF.C.のチョウ・キジェ監督が、自身初の3連戦に臨む。原則としてメンバーが決まっている3月24日の再開試合を挟み、21日と28日に試合をする特殊な状況だが、指揮官は目の前の一戦に意識を集中している。

上写真=3連戦に向けてオンライン取材で報道陣の質問に答えたチョウ・キジェ監督(写真◎スクリーンショット)

「僕も初めての経験」

 京都は3月21日の明治安田生命J2リーグ第4節で、ジュビロ磐田とホームで対戦する。その後は24日に、13日に開催されて前半19分で中止・延期となった、大宮アルディージャとの第3節の再開試合(アウェー)を消化。28日の第5節ではブラウブリッツ秋田とアウェーで対戦する。

 中2日や中3日での連戦は珍しいことではないが、今回は通常の3連戦とは事情が異なる。大宮戦は京都が1-0とリードした状態の前半19分から再開され、原則として13日の試合中止時点で出場していた選手によって再開される(ケガなどの事情によっては交代も可。詳細は下記のJリーグ公式ホームページ参照)。3連戦の真ん中の試合だけ『先発』する選手が決まっているような、特殊な状況だ。

※再開試合に関する情報はこちら
https://www.jleague.jp/release/post-66702/

 そのため、磐田戦と秋田戦も考慮しながら、いつもとは違うチームマネジメントが求められる。チョウ・キジェ監督も「僕も監督として初めての経験。こういう試合が十数試合もあれば経験を生かせるのですが、未体験のこと」と語った。

 だが一方で指揮官が強調したのは、目の前の一戦に全力を注ぐという『原則』だった。

「大宮戦があることによって、磐田戦の色が薄れるのは良くないと思っています。目前の試合をしっかり戦って、次に臨む。次の大宮戦のことを考えて磐田戦に臨むほど、我々は熟成されたチームではない。僕自身は、目の前の階段を上っていく、目の前のハードルを越えることに集中していった方がいいと思っています」

 大宮戦で中断直前に生まれたMF武富孝介の先制点は、自陣でのスローインから一気に相手ゴールに攻め込んで奪ったもの。「スローインから全員でボールを運んでいって、やろうとしたことで得点が取れた。全員で取ったゴールだと思う」と語ったチョウ・キジェ監督は、「そういうゴールを磐田戦でも生み出せるように、みんなでやっていかなければいけない」と強調した。

 磐田は開幕2連敗から、第3節で今季初白星を飾っている。「データを見ても攻撃的なチームであることは間違いない。ボールを動かす力、複数の選手が絡んでゴールに入っていく力は、リーグの中でも非常に高いと思っている」と相手を評した指揮官は、「そういう選手たちをケアしつつも、ケアだけにならないように、逆に自分たちのペースに持ち込めるような試合にしていくことが、勝ち点3の方程式だと思っている」と言葉に力を込めた。