京都サンガF.C.のFWピーター・ウタカが、今季初得点を目指してジュビロ磐田との次節に臨む。昨季は2試合で4得点を挙げた相性の良い相手からゴールを奪い、その後の勢いにつなげていくつもりだ。

上写真=磐田戦に向けて3月19日の練習を消化したウタカ(写真◎京都サンガF.C.)

「非常に良い形を見せることができた」

 京都は3月13日の明治安田生命J2リーグ第3節で、大宮アルディージャとアウェーで対戦。18分に自陣でのスローインから一気に攻め込み、MF武富孝介が先制ゴールを奪った。
 
 中央でパスを受けて左サイドに展開し、ゴールへの過程に絡んだウタカは「自分たちのチームワーク、非常に良い形を見せることができたと思う」と振り返った。直後の19分に雷雨のため試合は中断となり、そのまま中止・延期に(再開試合は3月24日開催)。「(自分たちのプレーを)もっと見せることができた、これから見せようとしたときの出来事だった」と残念がったが、「サポーターや選手の安全面を考えての判断だったので、仕方ない」と理解を示した。
 
 その大宮戦を含めて今季開幕から無失点を続けており、チョウ・キジェ監督に「ハイプレスを求められている」と語るウタカなど、前線の守備意識も要因の一つだろう。だが、いずれ失点するときが訪れるはずで、特に先制されたときに反撃して勝ち点を奪えるかどうかは、昇格争いの上でポイントになるかもしれない。
 
 ウタカはサンフレッチェ広島に在籍していた2016年、J2に降格した15年の清水エスパルスでの経験も含めて「日本のチームは失点すると、まだ反撃する時間が十分あるのに、ひどく落ち込んでしまう」と指摘している。そのことについて質問されると「失点したときに落ち込んだり、責任を感じるのは、ある意味でプロフェッショナルな姿勢かもしれない。ただ大事なのは、頭を切り替えること。失点しても試合は終わっていないし、最後までやり続けなければいけない。次に向かうという頭の切り替えが大切」と持論を述べた。
 
 一例として挙げたのが、3月17日のJ1第5節。ホームで川崎フロンターレと対戦したヴィッセル神戸が、後半に先制されて0-1とリードされていたが、後半アディショナルタイムの90+10分に同点ゴールを決めて引き分けに持ち込んだ一戦を「頭を切り替えて戦い、最後まであきらめず、引き分けに持ち込んだ。非常に良い例で、(仮に失点しても)あれを目指さなければいけない」と評価した。
 
 3月21日の第4節では、ジュビロ磐田とホームで対戦する。昨季、ホームで対戦した第2節では2得点を挙げて2-0の勝利、アウェーでの第24節でも2得点を挙げて2-1の勝利に導いており、2試合で4得点を挙げている相性の良さが印象的だ。
 
 しかしウタカは「昨季はストライカーとしての仕事をしたけれど、もう過去のこと」とコメント。「もちろんゴールは大事で、決めることによって、自信を持って(その後も)点を取っていくきっかけを作らなければいけない」と語りつつ、「新しいシーズンのファーストゴールを決めたい」と意気込んだ。