雷雨により開始18分で中断となった13日の大宮アルディージャ戦で今季初出場を果たした武富孝介が、21日のジュビロ磐田戦、そして24日の大宮との再戦に向けて意気込みを語った。開幕前の故障からも回復。頼もしい男がチームに帰ってきた。

上写真=次節の磐田戦、24日の大宮戦に向けてトレーニングする武富孝介(写真提供◎京都サンガF.C.)

流れの中でチーム全体で取れた

 雷雨により18分で中断になった大宮戦で1得点を挙げたのが、武富だった。見事なコンビネーションからネットを揺らし、チームに欲しかった先制点をもたらした。

 自陣右サイドのスローインから飯田貴敬が前線に長いボールを入れると、武富が胸で落としてウタカへ。ウタカはダイレクトで左サイドへ展開。フリーになっていた荻原拓也の左足シュートは一度大宮のGKに弾かれたが、詰めていた武富が押し込み、ゴールを奪った。

「こぼれ球でちょっとラッキーな形でしたけど、ウタカ選手とか荻原選手とか、コンビネーションの中で生まれているゴール。自分が決めたゴールですけど、流れの中でチーム全体で取れたゴールでした」と武富本人も、狙い通りの連係から奪った得点に手応えを感じていた。「ゴールを取ってチームにとってもよかったですし、自分にとってもポジティブ。次にしっかりつなげていけたらいいなと思います」。ビルドアップにしっかり関わり、フィニッシュに顔を出す。大宮戦の武富のゴールは、過程も含めてアタッカーとして理想的なプレーの末に生まれた。

「大宮戦の中断は残念でしたけど、チームとして18分間の中できたことできなかったことがありました。テンションとかインテンシティとかはそこまで悪くなかった。再試合が決まりましたが、それ(=前回)以上の入り方をしていければいいと思います」

 武富自身、この試合が今季初出場であり、幸先良くゴールを奪ったがゆえに勢いを駆ってそのまま試合を続けたかったはずだ。しかし、雷雨による中止は仕方のないこと。不測の事態を受け止め、すでに気持ちを切り替えて週末の磐田戦にフォーカスしている。

「(磐田は)J1に長くいたチームですし、選手層も含めて手ごわい相手。自分たちは自分たちらしくというか、謙虚に向かって行ければと思います。強いと思いますけど、あくまでも自分たちに目を向けて、自分たちのパフォーマンスを出せるのかどうか。自分たちの物差しでやれれば」

 磐田戦のポイントは、相手どうこうよりも自分たちがどう振舞えるかだという。ベクトルを自らに向けられるのは、裏を返せば、力を発揮できれば、勝利をつかめるという自信があるからかもしれない。

「まずは磐田戦。そして次の大宮戦は19分から1-0で始まりますが、ありきたりですけど、そのことは意識せずに、また大宮と試合をすると思ってスタートを切れればいい。変に戦術的にとか、ゲームは1-0からだとか意識するよりは、大宮と試合開始からできると考えて臨みたい」

 21日にホームで磐田戦、24日に中2日で大宮とあの日の『続き』を戦う。予期せぬ形でスケジュールはタイトになったが、大宮戦で存在感を示したナンバー7は、勝ち点6を求めて変則的な2連戦に臨むつもりだ。