J2第2節でモンテディオ山形を迎えた東京ヴェルディ。後半から登場したのが、今季から「11」を背負ってプレーする山下諒也だ。0-1のビハインドの状況で今季初めてピッチに立ち、持ち味のクイックネスとドリブルでゴールを狙い続けた。

上写真=今季初出場を果たした山下諒也。新しい背番号11を躍らせてゴールに迫った(写真◎J.LEAGUE)

■2021年3月7日 明治安田生命J2リーグ第2節(@味スタ/観衆2,709人)
東京V 0-2 山形
得点:(山)ヴィニシウス・アラウージョ2

「どこにランニングするかをイメージしながら」

 プロ2年目で手に入れた「11」がまぶしい。山下諒也が一足遅れて「開幕」だ。

 プレシーズンに筋肉系のトラブルと右ヒザのケガが相次いだという。2月28日の開幕戦は見送ったものの、第2節のモンテディオ山形戦で後半開始からピッチに立った。永井秀樹監督は「自分の中では想定より少し早い投入でした」と0-1の状況で踏み切ったから、それだけ山下の力量に信頼を置いているのだろう。

「いつでも出られる準備はできていますし、リハビリをする中でもトレーナーの方がコンディションをつくってくれました。自分としてはいい感じでできています」

 フィーリングは悪くなかった。

 1点のビハインドで終えた前半の状況を、どう見ていただろうか。

「相手のペースになっていて、取ったあとにすぐに奪われる展開でした。僕が入ったら、味方が奪ったときにどこにランニングするかをイメージしながら見ていました」

 自分の特徴を生かしやすい流れでもあった。最初の数歩で一気にギアを上げられる細かいステップワークと、それを繰り返すことのできるエンジンを備えている。右サイドをかっ飛ばしていった。

「いつも通りですね。相手の背後を狙い続けて、こっちが取ったあとにサイドバックの後ろが空くので、そこに動き出すのはイメージしてやりました」

 だが、66分に2点目を奪われると、山形はますます守備を締めてきた。

「いい意味でヴェルディが持ち始めた時間は、背後(のスペース)がなかなかありませんでした。自分たちでつくり出すことはできるので、工夫は必要でした」

 閉じられた門を技術とパスワークでこじ開けることはできる。実際にゴールに迫ったが、得点はならず…。

 今年も東京Vのパスワークを警戒するチームは増えるはず。だがそれだけに、相手の嫌がる場所に素早く潜り込む山下の特性が生かされていくはずだ。