株式会社スポーツクラブ相模原(以下、SC相模原)と株式会社ディー・エヌ・エー(以下、DeNA)は2月25日、DeNAがSC相模原の株式19%を4月に獲得し、経営参画することを発表した。同日のJリーグ理事会でも承認された。

上写真=新しいコンビとなるSC相模原とDeNA。左から相模原の小西展臣社長、望月重良会長、DeNAの對馬誠英執行役員、西谷義久戦略部長(写真提供◎DeNA)

「満足してもらえる観戦体験を」

 SC相模原の望月重良会長にとっては、万感の思いだ。

「最初にお話をいただいたとき、興奮したというのが正直な気持ちです」

 2008年の立ち上げから情熱を持ってクラブを育ててきただけに、特別な感慨があっただろう。

「DeNAさんはいろいろな事業を行っていますが、集客面やエンタメ性、ブランディングについて野球でもバスケットボールでもうまくいっている会社なので、お話しできたのは非常に興奮しました」

 この日、リリースされたのは、DeNAが2021年4月にSC相模原の株式19%を取得すること、トップスポンサーとしての協賛を開始することだった。2月25日のJリーグ理事会でも承認されて発表の運びとなり、2月27日の京都サンガF.C.との開幕戦で「J2デビュー」を控えるSC相模原にとって最高のニュースとなった。

 DeNAはプロ野球の横浜DeNAベイスターズ、プロバスケットボールリーグ・Bリーグの川崎ブレイブサンダースを経営していて、そこで培ったノウハウをSC相模原に投下していくことになる。

 DeNAは、スポーツ事業本部の西谷義久戦略部長がまずは観客動員増に着手していくと話した。

「シーズンを間もなく迎えるので、満足してもらえる観戦体験を作り上げることを考えていきたいと思います。コロナ禍で厳しい中ですが、制限が解除されていけばお客様の数を増やしていくことを進めていきたいし、ブランドづくりという観点でもより強化していきます。その点でロゴ変更やチーム名の変更などは現時点で考えていません」

「今日明日で何かするというよりは、タイミングを見計らってアップデートしながら、シーズン中に集客の山を作る施策に取り組んでいきたいと思います」

 すでに横浜DeNAベイスターズでも川崎ブレイブサンダースでも、さまざまな取り組みが成功して観客動員数は右肩上がり、プロスポーツとして優良コンテンツに成長させた実績は大きい。SC相模原をはじめとした地元のスポーツチームが、JR相模原駅北口に面した相模総合補給廠の一部返還地を活用した多機能複合型スタジアムの整備実現を目指していて、スポーツのまちとしての機運が高まっている真っ最中。今回の「コンビ結成」が、地域全体のさらなる活性化への起爆剤にもなりそうだ。