上写真＝トレーニングを指揮する尹晶煥監督（写真◎JEF UNITED）
選手の競争が激しくなっている
「（キャンプは）短い時間でしたが、いろいろやってきて、J1との練習試合も何試合かしました。うまくいっているかどうかは、まだはっきりとは言えないですが、みんなが今年やりたいことをやってくれた。開幕でうまくいけるように、いま準備しています」
尹監督の言葉には装飾の類が一切ない。常に冷静に現実を見つめ、率直な思いを口にする。これまでもそうだった。キャンプを振り返って語ったこの言葉を読み解けば、『手応えはある。一方でまだ詰めなければならないこともある』といったところだろうか。
今季、チームは攻撃的な守備を掲げている。高い位置でボールを奪い、スムーズに攻撃につなげる守り方だ。まだ完成を見ていないことは先日の札幌戦でも明らかだが（0-1）、選手はキャンプでその習得に前向きに取り組んだという。大きな可能性を感じていることは指揮官の言葉からも伝わってきた。
新加入選手も、その習得に努め、とくに新たな守備の柱と目される鈴木大輔は、チームが前から行くか、しっかり構えるかの判断する役割を担うことになりそうだ。尹監督もその加入はチームにとって大きいと話し、期待を寄せる。
一方で、攻撃面については「選手にいつも話すのですが、（攻撃はピッチ内で）選手たちがどういう選択をするのかがすごく大事です。ボールを中心に考えて、周りがどれぐらい動けるか。（パスを）受ける人がいれば、3人の動きも出てくるし、それが常にできればバリエーションも増えていく。そういうトレーニングを今はしていますが、まだまだ試合になってみないと分からないところもあります」と説明する。今はまだ誰がどう動くのかを確認している段階だろう。今後、選手間のイメージの共有が進み、各々のプレーを体に染み込ませることができたときに、狙い通りに攻撃ができるようになる。問題は、そのタイミングが、どこで訪れるのか。
キャンプで1シーズン戦える体を作ってきた。甲府との開幕戦（2月28日）までの残り2週間でゲーム体力をつけ、戦術理解を深め、そして攻撃のコンビネーションも磨くつもりだ。
昨季は期待されながらも14位に終わった。尹監督が就任して2年目となる新シーズン、同じ轍を踏むわけにはいかない。
「選手の競争が激しくなっています。その点はうまくいっていると思う。シーズンに入ってみないと分からないところもありますが、色んな選手に期待しています」
目指すは、2009年以来のJ1復帰。今季は上位2チームにしか昇格のチャンスはないが、目標は明確だ。ジェフ千葉はスタートから勝ち点をしっかり手にすべく、いま準備を進めている。