京都サンガF.C.のチョウ・キジェ監督が、ファン・サポーターへのお披露目となる2月14日の練習試合に意気込んでいる。注目してほしいポイントには「スピード」を挙げ、サンガスタジアムでの初采配に臨む。

上写真=沖縄キャンプを終え、京都に戻ってプレシーズンの準備を進めているチョウ・キジェ監督(写真◎京都サンガF.C.)

「躍動する姿を見せたい」

 2月8日までの沖縄キャンプを終えて地元に戻り、2日間のオフを挟んで練習を再開した。12日の練習後にオンラインで報道陣に対応したチョウ・キジェ監督は、当日の練習内容と現在の選手の状態について「彼らの一番の良さは、ピッチの中の戦術理解度。求めることに対するリアクションで、想像以上のものを出せることだと思う」とコメント。「全部の局面で主導権を握ることは、言葉で言うのは簡単ですが、すごく難しい。そこに向かってトライしていこうという言葉の中で、非常に良い練習を見せてくれた」と評価した。

 2月28日の開幕戦まで2週間あまり。チームづくりは最終段階に入り、手応えのある練習を重ねているチョウ・キジェ監督は「それをつなぎ合わせて、早くゲームをやりたいなという気持ちでいる」という。しかし「その一方で、細心の注意を払いながら。いろいろなことを積み上げていく時間も、まだあるので、一日一日を大事にしてやっていきたい」と今後の見通しについて説明した。

 14日には本拠地のサンガスタジアム by KYOCERAで、ガイナーレ鳥取と練習試合を行なう。京都のファンクラブ会員『SANGA CREW』限定で公開され、新生サンガのお披露目となる一戦を、監督はこのように捉えていると明かした。

「全員がピッチに立てるかどうかは分からないですが、キャンプで積み上げてきたことを、お客さんの前で見てもらうことは、選手にとって非常にかけがえのない経験になる。開幕前にいろいろ見られると、戦術があからさまになって不利だ、という声も聞きますが、僕は、いまの京都がどういうものを目指し、どういうことをしているのかが肌感覚で見ている人に伝わった方が、京都がいいチームになる準備だと思っています。そういう機会をクラブから用意してもらったので、ぜひ躍動する姿を見せたい」

 沖縄キャンプ中の北海道コンサドーレ札幌との練習試合(45分×3本)で3-3と引き分けたとき、指揮官は「チャレンジしなければ0-0に終わっていたかもしれないが、その0-0には何の意味もないと思っていた」とコメントしている。この試合は非公開だったが、今回はファン・サポーターが見守る一戦でもあり、内容だけでなく、結果にも注目が集まりそうだ。

 これについて監督は「結果にこだわらない試合で、面白い試合なんてないわけだから、選手がこだわれるような雰囲気を作っていかなければいけない」と語り、一方で「その結果がネガティブなのか、ポジティブなのかは考え方次第で、選手たちには常にポジティブでいてほしい」と要求した。さらに「チームとして目指すものに対し、もう1本、2本チャレンジする姿勢がいつも選手になければ、チームは成長しないと思っている。この戦術の中で新しいものを見つけて、選手に成長していってもらいたい気持ちが強くあるので、そのことを実践する、いい機会だと思っている」と試合の位置付けを説明している。

 さらに、ファン・サポーターにどんなところを見てほしいか、との問いには「ゴールに向かうとき、ゴールを守るときに、エネルギーが出ていなければダメだと思っている。個人の力と力を合わせて見せるものも、もちろん美しいのですが、やっぱりボールを奪ったり、ゴールに向かうときにスピードが変わっている、そのスピードがスタンドから見たときに、明らかに変わっているのが一つのメッセージ。そういったスピードを体感してもらいたい」とコメント。「いつスピードが上がって、ゴールに向かっているのかを、ファン・サポーターの人たちと共有できれば、スタジアムと選手が一体となった、いい雰囲気になれると思う。ぜひスピードに注目してもらいたいです」とアピールした。