京都サンガF.C.のMF川﨑颯太が、よりアグレッシブな選手への進化を目指している。チョウ・キジェ監督からの指摘を胸に刻み、ただパスを受けて、さばくだけでなく、2ケタ得点も視野に相手ゴールを狙う決意だ。

上写真=プロ2年目のシーズンに向けて意欲的に練習を消化する川﨑(写真◎京都サンガF.C.)

「去年より意識高くできている」

 U-18から昨季トップチームに昇格し、プロ1年目にJ2リーグ16試合に出場。さらなる飛躍を期す2年目に向けて、同じ京都アカデミー出身で4年目のMF福岡慎平とともに、チョウ・キジェ監督に呼び出されたエピソードを明かした。

「チョウさんに呼ばれて『お前たちは、まだ勝負への覚悟や責任が足りない』と言われて、本当にその通りだと思いました。去年1年間、数々の試合に出させてもらいましたが、僕がチームを勝たせるというよりは、チームの足を引っ張りたくないという、どちらかというとネガティブな(考えだった)」

 サッカーは年功序列ではない。プロ2年目だろうが関係なく、自分で勝負を決めること、チームを引っ張ることを意識しなければいけない。指揮官からそんな話もされて「意識が変わった」という。具体的にも「僕は守備が武器なのですが、『ロングボールの質やシュートなど、得意ではないところを、標準までもってこい』と言われて。武器だけ出していればいい時期は終わったんだと気付かされました」と語り、「実際に自主練習も、去年より意識高くできていると思う」と自身の変化についてコメントしている。

 アンカーのポジションでプレーしているが、「センターバックからパスを受けたとき、前を向けるかもしれないけれど、判断せずに後ろに下げてしまったことがあって、何度かチョウさんに『前を向け』と指摘されている」という。そんなことを繰り返しながら「いま考えると去年は、ミスをしないように、と考え過ぎていたと思います。後ろに下げることは誰でもできる。前につないで攻撃のスイッチを入れるように、練習から少しずつ意識できています」と手応えをつかみつつある。

 チョウ・キジェ監督が目指すスタイルにおいて、中盤の底からでも相手ゴールを狙っていくプレーが必要なことは自覚している。「センターバックやゴールキーパーからパスを受けて、前につなぐという、アンカーとしての役割はあると思うのですが、それよりもチャレンジすることを求められている」。だからこそ「僕自身、そんなにさばくようなタイプでもない。バランスを見てくれる選手は一つ前のポジションにいるので、自分の良さを出すためにも、もっと前に行きたい」とイメージを膨らませる。

 その上で「ノルマとして5点は取りたいという気持ちがある。目標は10点としています」と具体的な数字を挙げた。生まれ変わった京都のスタイルを体現すべく、ミッドフィールドから2ケタ得点を狙っていく。