新生・京都サンガF.C.に注目が集まっている。チョウ・キジェ監督の存在に選手たちの心が揺り動かされ、みんなが目を輝かせている。もちろん曽根田穣もその一人。生まれ変わったチームで攻撃的な感性を響かせてみせる。

上写真=アタックのセンスを発揮するために。曽根田穣にも熱い気持ちが湧き出ている(写真提供◎京都サンガF.C.)

「ボール保持者を一人にしない」意識

 京都サンガF.C.でプレーする2年目を前に、曽根田穣の目が輝いている。攻撃的な意思によって積み上げられたチョウ・キジェ監督のフットボールに、そのセンスが共鳴しているからだ。

「すごくやっていて楽しいですし、得点に関わる選手の人数が去年より多くなると思うので、楽しみです」

 沖縄キャンプでは「いままでで一番きつい」と苦笑いするほど走って鍛えているが、それが効いている。

「自分がいままで練習をサボってきたつもりはないし、試合でも走っていたつもりでしたけど、スプリントも多くなって走る距離も長くなります。ゲームでやるためには練習からスプリントを意識してやっているので、みんなで高めあっています」

 そのおかげで、明らかな変化を感じ取っている。

「前向きの選手がたくさんボールを追い越してくるんです。フィールドの10人がボールに関わる意識は、去年より明らかに違うところかなと思います」

 みんながみんな、ボールを欲している。その好循環を形にするために曽根田が心がけているのは、サポート。

「ボール保持者を一人にしない、ということですね。後ろ向きで持っている選手がいたら、前向きでサポートすることは常に意識してやっています」

 前を向く、はチョウ監督のキーフレーズでもある。ゴールへの意欲は、前を向かなければ生まれない。

「守備イコール守る、という考えではなくて、守備をしながらも得点やカウンターのことを頭の中に入れながらプレーすることが大事です」

 常に攻撃的に。それは実際のプレーの現象面はもちろんのこと、心の持ちようのことでもある。2月3日に行われたJ1の北海道コンサドーレ札幌との練習試合で表現できた。

「札幌はキーパーを使ってしっかりビルドアップするチームです。やられるシーンもあったけれど、怖がらずにみんなが前に行く姿勢を見せていました。J1のチームに対しても怯えずに、強いメンタリティーを持ってプレーできたと思います」

 開幕はまだ先だが、誰もが熱をたぎらせている。曽根田の言葉にも力がこもる。

「監督が熱い人だからそれに選手も引っ張られて熱い気持ちでトレーニングに励んでいますし、このチームでこの熱で毎日練習を続けていけば、J1に行くことも、J1で戦える力もつけてシーズンを過ごせます。今年こそ期待していいと思います」

 未来のことを言うと鬼が笑うが、昇格の歓喜とその先をイメージできる環境はチームを強くするはずだ。