京都サンガF.C.のDF木村誠二が、開幕スタメンに照準を合わせている。育成型期限付き移籍で加入した今季、FC東京時代から師事する長澤徹ヘッドコーチの影響も受けながら、J1昇格への貢献を期す。

上写真=2月3日の練習試合でプレーする木村(写真◎京都サンガF.C.)

「良い形でチャレンジできている」

「まず、かなり体力を使うと思います。僕は後ろの選手なので、前の選手に比べたら全然(大したことはない)ですが、かなり全体の運動量は上がっている。攻撃に関しては臨機応変な判断が求められますし、なかなか難しい」

 2月3日のオンライン取材で、チョウ・キジェ監督が推し進めているサッカーについて問われた木村は、こうコメントした。この日は北海道コンサドーレ札幌と45分×3本の練習試合を行ない、3-3の引き分け。30分×3本を戦って7-2で勝利した1月30日の練習試合、沖縄SV戦を踏まえて「前回と比べれば、他の選手との連係も取れてきていると思いますが、まだ細かいところは合っていない。ポジショニング、スライドなどを、もう少しすり合わせていけたら」と今後を見据えた。

 U-15からFC東京のアカデミーで育ち、高校2年時の2018年からはFC東京U-23でJ3リーグの多くの試合に出場。トップ昇格を果たした昨季はJ1でも3試合に出場したが、プロ2年目は京都に育成型期限付き移籍することになった。

 昨季まで2年間、FC東京のU-23監督やトップチームのコーチを務め、今季から京都のヘッドコーチに就任した長澤徹氏の存在が、移籍の決め手の一つになったという。「なかなか試合に出られず、紅白戦にも入れないときに、ずっと見ていただきました。1対1の守備やポゼッションなどはかなり徹さんに教え込まれて、成長できています」と感謝し、「尊敬しているし、ついていって間違いない人」と思いを語った。

 チョウ・キジェ監督からは「リスクを恐れてチャレンジしないことを嫌う。チーム全体で常にリスクを恐れず、どんどんチャレンジしよう、と。リスクを冒さないと、その先の成功はつかめないという話もされている」と明かした。自身が課題に挙げる効果的な配球とのバランスも必要になるが、「チャレンジした上での失敗は、とがめられたりしない。リスク管理もしなければいけないけれど、良い形でチャレンジできていると思う」と手応えをつかんでいる。

 新しいチームメイトとのコミュニケーションでは「もともとインドア派で、ゲームがすごく好きなので、Nintendo Switchの『大乱闘スマッシュブラザーズ』をオンラインで楽しんでいる」。同じく新加入のMF三沢直人と楽しんでおり、「なかなか勝たせてもらえない」と笑顔で語る表情からは、新天地になじんでいる様子がうかがえる。
 
 とはいえ、開幕スタメンを狙っているか、との質問には「もちろんです」と即答。「そのために、このチームに来ているので、もちろん目指してやっていきたいです」と続け、強い決意をにじませた。