V・ファーレン長崎で4年目のシーズンを迎える徳重健太。守護神として最後尾からチームを支えてきたが、今年は監督やGKコーチが代わる新しいシーズン。変わったことも変わらないことも大事にして、昨季、目前で逃した昇格へ突き進んでいく。

上写真=徳重健太は昇格目前で敗れた悔しさを2021年に晴らす(写真◎Getty Images)

「戦うメンタリティーや雰囲気を作っていきたい」

 V・ファーレン長崎のGK徳重健太にとって、いくつか変わったことがある。

 監督が代わった。手倉森誠氏が去ってベガルタ仙台の監督となり、吉田孝行コーチが昇格する形で長崎を率いることになった。GKコーチが代わった。三好毅典氏が契約満了、井出大志コーチが就任した。

 そして、トレードマークのひげを剃った。

「正月を迎えるに当たって、1年の始まりということで気持ちをリセットして、という流れですね。これからまた伸ばすかは、まだ分かりませんけど」

 1月19日に始動して、23日から沖縄でキャンプ中。始まったばかりだから、「変わったこと」によるメリットは、これからやってくるようだ。

「キャンプは23日から始まっているんですけど、主にフィジカル中心のトレーニングになっています」

「監督もコーチも変わったけど、チームが立ち上がったばかりですし、フィジカル中心のメニューは内容は違うけど目指しているところは一緒なのかな」

「まだ始まったばかりなので、変わったところはこれから時間をかけて感じ取れるのかなと思っています」

 一方で、好ましい「変わらないこと」もある。例えば、オフでも体を休めすぎないこと。

「ゆっくり過ごすのがベースですけど、個人的に体を動かさないと気持ち悪くなるんです。体が動きたいと思えば近所をランニングしたり、トレーニングマシンに触ったりしていました」

 体の声をしっかり聞いて、有益なオフを過ごした。それは、悔しさに突き動かされたからでもあるだろう。昇格を目前にしながら、勝ち点4差で届かず3位で力尽きた。あの苦い思いもまだ変わらずくすぶっていることが、新シーズンへの原動力になる。

「個人というかチームの目標につながることですが、去年本当に悔しい思いをしているので、昇格の目標を達成するのに与えられた役割、仕事をしっかりとやっていきたいと思います」

 長崎で4年目のシーズンを迎える。4人体制のGK陣で最年長だ。与えられる役割は分かっている。

「シーズン中にチームの状態には必ず波があると思います。いいときはしっかり締めていきたいですし、そうでないときもチーム全体で1試合1試合戦うメンタリティーや雰囲気を作っていきたい」

 昨季は23試合の出場で、19試合の高木和徹と併用された格好だ。出ても出なくても、チームを鼓舞する気持ちに変わりはない。

「去年積み重ねたものは自信を持っていいと思うし、今年になってさらに上積みしていければ間違いなく去年よりいいチームになって、よりいい結果になると思います」

 自信もまた、変わらないことの一つ。