アルビレックス新潟が獲得を発表したMF高宇洋。川崎フロンターレのアカデミー出身で、市立船橋高からガンバ大阪に進むという経歴ももちろん、そのプレーぶりで期待は集まる。J1昇格を狙う新潟の中盤をどう変えるだろうか。

上写真=レノファ山口では1年半プレー。J2でもトップクラスのボランチとして評判だ(写真◎RENOFA YAMAGUCHI/J.LEAGUE)

ボランチの中心として期待大

 2020年はレノファ山口で全42節のうち、41試合出場1得点。1試合に欠場したのみで、ほとんどがフル出場、という実績だけで、どれだけ重要な戦力になるかが分かるだろう。

 2017年にガンバ大阪U-23の一員としてJ3でプレーし、翌年にトップチームデビュー。19年には東京オリンピックを目指すU-22代表としてトゥーロン国際大会で準優勝に貢献している。その8月から20年いっぱいにかけて山口でプレーして、試合経験を積んできた。

 豊富な運動量と正確なボール保持の能力で、ボランチとして安定したプレーぶりを見せる。経歴を振り返るとどのチームも高い技術力を生かしたサッカーをするだけに、新潟でもその適性が生かされるだろう。新潟はアルベルト監督が2021年も指揮を執るため、戦い方のベースは変わらないはず。ボールとともに前進していくスタイルの中で、高のテクニックは生きるはずだ。

 新潟のボランチ事情は、昨季途中から加入した福田晃斗が契約を更新したものの、昨年11月に左ひざ前十字靭帯断裂と左ひざ外側半月板損傷という重傷を負い、全治には夏までかかる見込み。コンビを組んでいた島田譲はV・ファーレン長崎からの期限付き移籍で、2021年の契約については発表されていない。ゴンサロ・ゴンザレスも10月に負傷で離脱し、秋山裕紀は一時期、アスルクラロ沼津に育成型期限付き移籍(のちに復帰)、福田の負傷のあとには高木善朗や堀米悠斗、セレッソ大阪から期限付き移籍で加わっていた中島元彦などを起用していたが、本職の選手ではないだけに難しさも残った。

 そこにJ2でもボランチとして高い評価を受ける高の加入が発表されただけに、期待は大きくふくらんでいる。福田復帰までの中心選手として、そして福田復帰後はJ1昇格を実現する最高のコンビとして注目が集まりそうだ。

「2021シーズンから加入することになりました高宇洋です。新潟のJ1昇格に向けて全力を尽くして戦います! 応援よろしくお願いします」

 すでに背番号は「8」と発表されている。新潟のサポーターはJリーグの中でも熱烈なだけに、その活躍に熱い視線が注がれている。

 昨季までプレーした山口のファン・サポーターにはお別れのメッセージ。

「約1年半と短い期間でしたが、温かく熱い応援をありがとうございました。J1昇格という目標は願わず申し訳ない気持ちでいっぱいです。ただ、自分自身、1年半山口でプレーしたことで大きく成長できたと実感しています。この一年半の経験をこれからのサッカー人生に繋げて行きたいと思います。本当にありがとうございました」

 所属元であるG大阪のファン・サポーターにも感謝を伝えている。

「この度、アルビレックス新潟に移籍することになりました。
 ガンバ大阪でプロサッカー選手のキャリアをスタートさせてもらい感謝しかありません。監督をはじめ、チームメイト、スタッフ、サポーターの皆さんと戦えたことに感謝しています。
 2年半という期間で嬉しいことも悔しいこともありましたが、自分のプロとしての土台を作ることが出来た濃い2年間だと思います。成長した姿をお見せできるようこれからも精進していきます。
 2年半ありがとうございました」

高 宇洋(こう・たかひろ)
■ポジション:MF
■生年月日:1998年4月20日
■身長/体重:172cm/67kg
■出身地:神奈川県川崎市