2点目を挙げて勝利を呼び込んだ藤川虎太朗（写真◎J.LEAGUE）
■2020年12月20日 J2リーグ第42節（@カンセキ:観衆10,767人）
栃木 1－2 磐田
得点：（栃）矢野貴章
（磐）松本昌也、藤川虎太朗
巧みなヘディングシュートで2戦連発
スターティングメンバー表には、「FW」登録の選手は磐田には1人もいなかった。「フォワードはルキアンもケガということで、いる選手でやっていく」と鈴木政一監督も苦しい台所事情を明かす。その中で、試合が始まってみると最前線の位置に入ったのは背番号26、藤川虎太朗だった。山田大記や大森晃太郎とポジションを変えながらも、ゴールへの先鋒隊となった。
前への姿勢が実を結んだのは、1点をリードして迎えた後半30分。その前にFW小川航基が入ったことでポジションを一つ下げてはいたが、小川航がサイドに流れるとゴール前にポジションを移した。次の瞬間、小川航からのパスを受けた山田大記がゴール前へクロスを送る。そのボールに対し、相手マークを外した藤川が頭で合わせ、勝利をグッと引き寄せる追加点を挙げた。
「（相手の）最終ラインとは駆け引きが大事かなと思います。うまく駆け引きできて、（ヘディングで）押し込めました」
本来は中盤の攻撃的な位置でプレーする選手だが、ストライカーのような巧みなヘディングシュートで、前節町田戦に続き2試合連続ゴールをゲット。指揮官も「本当にうれしい。こういう形で点が取れたことは本人とってもプラス」と目を細める。
「最終戦はどうしても勝ちたかったので、勝って終われて良かった」と藤川は話すも、最終的に6位でJ1昇格を逃したことについては「ふがいない結果に終わってしまった」と悔しさを募らせる。だからこそ、来る2021年は、勝負の年だ。
「（来シーズンは）チームとして、J1に返り咲くことが第一優先。自分としては点を取ることも大事ですけれど、常に得点に関わるプレーをすること」
殊勲のアタッカーは、これからもどん欲にゴールを狙っていく。
現地取材◎サッカーマガジン編集部 写真◎J.LEAGUE