上写真=ダメ押しの3点目を決めた前嶋洋太（写真◎J.LEAGUE）
■2020年11月21日 J2リーグ第35節（@栃木グ:観衆2,861人）
栃木 1－3 水戸
得点：（栃）明本考浩
（水）奥田晃也、山口一真、前嶋洋太
今季4点目のサイドバック。「内容よりも結果」
北関東ダービーの勝負を決したのは、伏兵の一発だった。2-1のスコアで迎えた後半40分に水戸がCKのチャンスを得ると、山口一真の蹴ったボールが混戦の中でンドカ・ボニフェイスに渡り、ペナルティーエリアの右側にいた前嶋洋太の足元へ。
「ボニくん（ンドカ・ボニフェイス）から、たぶんシュートミスだと思うんですけれどボールが来て、自分がフリーだったことは分かっていたし、うまく前向きにトラップできました」
空中戦に競り合った住吉ジェラニレショーンが前嶋のシュートコースに立ちふさがったが、前嶋は「スルーしろ」と一言。右足のインサイドでボールを蹴ると、次の瞬間、住吉は左足を上げてシュートコースを空け、前嶋の右足から放たれたボールは相手GKの手を弾いてゴールネットに吸い込まれた。
「ジェラ（住吉）がうまくよけてくれたことが得点につながったと思っています」
勝利を決定づける3点目が決まった。栃木との点差を2点とし、残り時間はわずか。前回はホームで逆転負けを喫した相手に、リベンジを果たすゴールとなった。
「前回はホームでふがいない負け方をして、個人的にもチームとしても心の中につまるものというか、それがずっとあった。まだ完全に消化できたわけじゃないけれど、1つ取り返せて良かったなという気持ちがあります」
ポジションはサイドバックながら、今季4ゴール目。J2最多61得点を挙げている攻撃的なチームの中でも、象徴的存在の一人と呼べるだろう。
「北関東ダービーということで、監督は内容よりも結果を重視するということを最初から言っていました。まずは勝てたことにホッとしています。あれだけのサポーターの熱量もすごく伝わってきて、それに勝利という形で応えられてうれしいです」
大一番でゴールを決めてみせる攻撃的なサイドバックが、水戸の翼を担っている。
現地取材◎サッカーマガジン編集部 写真◎J.LEAGUE