上写真=決勝ゴールを奪った栃木の明本考浩（写真◎J.LEAGUE）
■2020年11月8日 J2リーグ第32節（@栃木グ:観衆2,548人）
栃木 1－0 京都
得点：（栃）明本考浩
「数少ないチャンスを決め切る力が必要」
試合の均衡を破ったのは、大卒ルーキーながらすでにエースの風格を漂わせる背番号「8」の技ありシュートだった。後半21分、溝渕雄志から榊翔太にパスがつながり、ボールは明本考浩の元へ。
「翔太くん（榊）から横パスが来た時点で、まずは左足でシュートを打とうと思いました。でも、相手（DF）が前にいたので、その人をかわして、そのまま右足で流し込もうというイメージがありました。そのイメージ通りに決められて良かったです」
利き足である左足でシュートを打つと見せかけ、右に空いたスペースへとすぐさまボールを持ち出し、体勢を崩しながら右足でゴールネットを揺らした。前回の京都戦（第21節）以来となる今季4点目が、チームを勝利に導く決勝ゴールとなった。
「10試合（ゴールを）決め切れていなかったので、フォワードとしてしっかり結果を残せるようにと、今日のゲームに入りました。それが結果につながって良かったです。本当にみんなでよく走って（相手の攻撃に）耐えているぶん、数少ないチャンスを決め切る力が必要。今日は少ないチャンスで決め切れて良かった」
明本がそう話すように、シュートの本数では12対16と京都に上回られた。試合の終盤には猛反撃に遭い、何度もゴールを脅かされた。それでも、守備陣がしのぎ切り、4試合連続の無失点試合を達成。「川ちゃん（GK川田修平）を含めたディフェンスライン、ボランチ、みんなが守備をしてくれたおかげで、勝ち点3をもぎ取ることができた。守備陣に感謝しています」と、明本は言葉をつむぐ。
今節の勝利で勝ち点を「46」に伸ばし、8位に浮上。強固な守備組織に支えられながら、明本ら前線の選手が得点を重ねていけば、さらなる上位進出も見えてくるだろう。
「僕たちは変わらず走るだけなので、それをメインに頑張って、残り少ない試合数ですけれど勝ちを拾っていきたいなと思います」
これからも明本が前線でエネルギッシュに走り回り、堅陣を誇るチームに活力を与えていく。
現地取材◎サッカーマガジン編集部 写真◎J.LEAGUE