悩めるジェフユナイテッド千葉が明治安田生命J2リーグで16位と沈んでいる。10月以降は1勝3分け4敗。生粋のゴールハンター、佐藤寿人は苦しいいまこそ、大切な三つのことを肝に銘じて覚悟の戦いに打って出る。

上写真=少ない時間でも結果を出す。佐藤寿人の覚悟は揺るがない(写真◎ジェフユナイテッド千葉)

ゴールこそ存在価値

 ジェフユナイテッド千葉が苦しんでいる。負けが先行して順位は16位。連敗のあとの前節、愛媛FC戦は追いついて1-1のドローに持ち込めたが、ピリッとしない。

 佐藤寿人が最近出場した3試合はすべて、記録上のプレー時間は「1分」。その短い時間に込めた思いは誰よりも熱い。

「自分はフォワードとしてここまでやっていて、ゴールというものが自分の存在価値を決めてきました。どういう状況であってもゴールを奪うことは表現していかなければいけないんです。それ以外の部分でも、ピッチに送り出してもらったときには監督から求められたタスクをこなさなければいけません。限られた時間の出場機会ですけど、1分でもワンチャンスあれば仕事をしなければいけないと思っています」

 ここまでわずか7試合、183分の出場で1ゴールという結果は、もちろん納得できるはずはない。何よりも、自分自身に対して。

「時間が少ないから仕事はできません、は若い選手が言えばいい言葉で、1分だろうが5分だろうが、もちろん長ければ長いほどチャンスは多いですが、どういう状況であっても自分のプレーができるように、またゴールを決められるように準備していかなければいけません」

 覚悟があるからこそ、チームを見渡して気づくことがある。一つはプライドについて。

「一つでも上の順位に引き上げることは、自分だけではなくみんなが選手としてプライドを持ってやっていかなければいけないと思います。去年は悔しいシーズンで17位で終わりましたけど、同じような順位に居続けて、これ以上恥ずかしいことはありません。もっと上の順位で終わらなければいけないです」

 一つは、自主性について。

「チームとしての大まかな考えは存在しますが、ボールを持った選手にピッチサイドから監督がああしろこうしろと言うわけではないですし、周りの選手も監督からそこに行け、あそこに行けと言われるわけではないですからね。プレーする選手がいい判断をしてゴールを奪うために何が必要かを共有するところが足りないと思います。ベースの部分はしっかり理解した上で、プラスアルファを出していくところを見せていかなければいけないんです。それが欠けているからこういう順位にいるのかなと思います」

 そしてもう一つは、もっと根源的なこと。プレーする喜びについて。

「もっともっと選手が試合に出る喜び、プレーする喜びを感じて戦わなければならないと思います。躍動感には少し欠けています」

「楽しむ、とは違うかもしれないけど、プレーできる喜びをしっかり感じなければいけなくて、正直、どことなく楽しそうに見えないんです」

 今季もあと11試合しか残っていない。そこで、プライドをかけて、自分たち自身の力で、喜びを表現しながらプレーできるか。千葉がサポーターに愛されるクラブであり続けるために、そして一つでも順位を上げるために、佐藤は最後までゴールを目指す。