10月21日、明治安田生命J2リーグは第28節が開催され、水戸ホーリーホックはモンテディオ山形とケーズデンキスタジアム水戸で対戦。後半に大槻周平に先制点を奪われるも、その直後に山口一真のシュートのこぼれ球を深堀隼平が詰めて同点とし、引き分けに持ち込んだ。

上写真=水戸での初ゴールを挙げた深堀隼平(写真◎J.LEAGUE)

■2020年10月21日 J2リーグ第28節(@Ksスタ:観衆1,281人)
水戸 1-1 山形
得点:(水)深堀隼平
   (山)大槻周平

心の支えとなった指揮官からの信頼。「お前は絶対に点を取れる」

「ここまで0点。フォワードで自分だけ点を取っていなかったので、ちょっと焦りもあった」

 今季、名古屋から期限付き移籍で水戸に加わったストライカーは、もがいていた。秋葉忠宏監督の下、J2でナンバーワンの得点力を備えるチームのFWでただ一人、得点という結果を残すことができていなかった。

「結構大きなケガをして、復帰したけれどまたちょっと痛めて、離脱して。そんなふうに悪循環というか、そういう期間が長くて、すごく苦しかった」

 前節までの27試合で、出場したのはわずか6試合。前節は開幕戦以来のスタメンに名を連ねたものの、前半45分間の出場にとどまった。

 そして、今節は終盤の後半32分に途中出場。「監督からゴール、結果という短い言葉を伝えてもらったので、すごく分かりやすかった」と話すように、一心不乱にゴールへと向かって行った。

 その姿勢が実を結んだのは、0-1のスコアで迎えた後半35分だった。

「一真くん(山口)がゴール前で(ボールを)持っていて、そしたら『打つな』と分かります。自分はオフサイドにならないことだけを意識して、相手の背中を取った。キーパーが弾くだろうと思ったので、詰める準備ができていました」

 ゴール前で山口が放ったシュートを相手GKが弾き、こぼれ球に素早く反応した。次の瞬間、ゴールネットが揺れ、ケーズデンキスタジアム水戸は歓喜の拍手に包まれた。深堀に待望の加入後初ゴールが生まれた。

「まずは1点目が取れたのはすごくうれしかったし、試合も(同点に)追いつけたので良かった。個人的にはホッとしたという気持ちが強かったです。もっと(欲を)言えば、2点目、3点目と取って、逆転勝利したかった。なので、そこはすごく残念ですが、負けなかったということは良かったのかなと思います」

 高校時代まで名古屋のアカデミーでゴールを量産した点取り屋は、2017年にトップチーム昇格し、ポルトガルでのプレーも経験して、今季は水戸へ武者修行に出た。名古屋ではルヴァンカップや天皇杯では得点を挙げたものの、リーグ戦は無得点。つまり、このゴールは深堀にとって記念すべきJ初ゴールともなった。

「久々に点を取って、なんか懐かしい感覚」と本音を明かす。「『お前は絶対に点を取れる』と信頼して、声をかけてくれた」という秋葉監督らコーチングスタッフ陣に捧げる1点でもあるだろう。

「やっと今日、結果を残せた。ここからどんどん行けると思います」

 深堀はJ初ゴールと確かな自信を手にし、これからその数字を伸ばしていく。

現地取材◎サッカーマガジン編集部 写真◎J.LEAGUE