上写真=先制ゴールを挙げた新潟のマウロ(写真◎J.LEAGUE)
■2020年10月18日 J2リーグ第27節(@Ksスタ:観衆3,166人)
水戸 1-3 新潟
得点:(水)奥田晃也
(新)マウロ、中島元彦2
「ディフェンスの選手には、ゴールを決めるのはとても難しいこと」
前節はJ1昇格争いのライバルでもある福岡との直接対決に敗れ、新潟は昇格圏から引き離された。そのため、是が非でも勝ち点3を獲得したい今節のアウェー水戸戦。チームの重圧をはねのけたのは、アルゼンチン人センターバックの一撃だった。
0-0のスコアで迎えた前半40分、新潟はCKのチャンスを得ると、キッカーの高木善朗がファーサイドへボールを送る。「対戦相手の水戸を分析する中で、セットプレーでファーを狙おうというのがチームとしてありました」。試合後にそのように振り返ったマウロが、ヘディングシュートを叩き込んだ。まさに、狙い通りの形で先制点が生まれた。
「狙い通りにできて、とてもうれしいです。ディフェンスの選手には、ゴールを決めるのはとても難しいこと。得点を決めるチャンスはなかなかめぐって来ませんので。そういう意味でも、ディフェンスの私にとって、ゴールを決めることはとてもスペシャルな喜びをもたらしてくれます」
今季、スペインのテネリフェから期限付き移籍で加入し、27試合中26試合で先発出場する。守備の要としてチームを支えるとともに、3ゴール目を記録した。それでも、自らのゴールにおごり高ぶることはない。スペインでキャリアを重ねてきたアルゼンチン人は謙虚な姿勢を崩さない。
「私が今日決めたゴールがチームに勝利をもたらしたとは、まったく思っていません。私のゴール、中島モト(元彦)の2ゴール、そしてチーム全体の90分間にわたる努力のおかげで、チームに勝ち点3がもたらされたと思っています。チーム全体の努力のおかげでの勝利だったと、私は認識しています」
前節まで福岡と同じ勝ち点数で首位を走っていた徳島が今節敗れたことで、昇格圏との勝ち点差は「9」に縮まった。だが、まだまだ険しい道のりであることは確かだろう。その差をさらに詰め、そして追い抜くために、マウロはこれからも新潟の最終ラインを支えていく。
「今日の試合に向けて(チームは)団結し、サッカーに集中することができて狙い通りに勝ち点3を取れたことをとてもうれしく思っています。私は今、31歳ですけれども、この年齢になってもピッチの中でも外でもミスを犯し、そのミスから学んで成長しています。それが人生、サッカーだと思うし、多くの人もそうなのではないでしょうか」
J1復帰へ、新潟はここからさらに上昇していく。
現地取材◎サッカーマガジン編集部 写真◎J.LEAGUE