上写真=大宮戦に向けてトレーニングする為田大貴(写真◎JEF UNITED)
後ろで回しているだけで有効なのか?
「次の対戦相手、大宮には前回も負けていますし、自分は上から見ていた形でしたが、今回は調子が上がっていないチーム同士の対戦になります。僕らも勝つチャンスはあると思っています。もちろん僕らにもうまくいっていない理由がありますが」
ともに昇格を期待されながら調子が上がらない千葉と大宮の現状を踏まえつつ、負けられない試合と位置づけた。大宮は12位で、千葉は17位だが、勝ち点差は3ポイント。得失点は大宮が-6で、千葉が-3。千葉が勝利を収めれば、おのずと順位は逆転する。トップテン10圏内までも勝ち点差は4。目の前の試合に一つ一つ勝っていけば、まだまだ上位にはたどり着く。その意味でも、明日14日の大宮戦は重要だ。
まずは問題の整理が必要と為田は言う。とりわけ守備の強化に力を注ぎ、「良い守備から良い攻撃へ」をコンセプトに尹監督はチーム作りを進めてきたが、ここに来て失点がかさんでいる。
「失点しないためのチーム作りをしている中で、失点が多いというのは我慢して守備をしているぶん、つらい部分がある。クロスからの失点が多い気がする。中で競り負けているのもあると思いますが、僕たちサイドの選手がクロスを上げさせているのも原因の一つ。まずはボールホルダーにしっかり寄せに行くということが大事になる。大宮は中に大きな選手がいるので、自分たちがクロスを上げさせないように、うまくスライドを心掛けながらやっていきたい」
上げさせず、決めさせない。クロスの出し手を監視し、受け手も自由にさせない。当たり前のことをもう一度、見直すことが肝要だ。
攻撃も同様だ。勝てないチームにはどこか消極的な面が見える。為田が指摘する。
「自分たちがボールを保持する時間を増やさないといけないと思いますし、後ろで回している時間帯はありますけど、それがはたして有効なのかというのもあります。みんながミスしたくないという気持ちから、クサビの本数が減っているとも思います。相手にとって危険なところにボールを入れる回数が減っていると思うので、そこは割り切ってプレーしてければ」
リスクを回避すること自体は悪いことではないが、何事も『過ぎて』はならない。ましてミスを怖れて消極的になっては得点は臨むべくもない。現在のチームに巣食う病と言えるかもしれない。今、必要とされているのはいかにアグレッシブになるかだろう。
「いまは後ろで回しているだけになっている。ボールを保持する時間ももちろん大切ですが、もっと縦パスを入れたり。どんどんクサビを入れながら、みんなが連動してサポートするして、パスや中盤でワンツーを狙うシーンだったり、ワンタッチを使いながら3人目の動きだったり、そういうプレーを増やしていければ。そうすれば攻撃の形というか、相手を動かすプレーもできるのではないかなと思います。ワンタッチだと、どうしても質が下がってミスの確率も大きくなるかもしれないですが、一人ひとりがミスを怖れずにプレーしていくことが大事だと思います」
機に臨み時に応じてリスクを負い、攻めに出る。その姿勢がなければ、ゴールは生まれない。
「大宮も失点が少ないチームでしたが、今年は失点しているシーンも多い。うちもそうですけど、相手も何かしらのスキはあると思います。だからいつも以上に攻撃の時に勢いや人数をかけて、得点機会を増やせれば。そういうアグレッシブなところを次の試合は見せられれば」
明日の大宮戦。リーグ再開初戦のホームゲームで敗れた雪辱を果たすと同時に(0-1)、上位に浮上するきっかけとしたい。