ジェフユナイテッド千葉の尹晶煥監督が4日、京都サンガF.C.戦を前にオンラインで取材に応じ、中2日で迎えるアウェーゲームに向けて意気込みを語った。前節、アディショナルタイムで福岡に追い付かれた悔しさを払しょくし、勝利を目指す。

上写真=オンラインで取材に応じる尹晶煥監督(写真◎JEF UNITED)

中2日は厳しいが違う選手も準備している

 アディショナルタイムの失点は、今季ホームで3度目のこと。群馬戦、徳島戦は勝ち越されて敗れ、前節の福岡戦は同点に追い付かれて2ポイントを失った。

 この悪癖を払しょくしない限り、勝ち点を積むことは難しい。オンライン取材に応じた尹晶煥監督は引き続き、選手に働きかけるしかないと言った。

「選手たちには常に集中しようと話はしています。本当に笛が鳴りまで、集中力が必要です。福岡戦で後半にピッチに入った選手は意欲的でした。あの1シーン(失点場面)だけを見ると、(選手が)スペースを空けて出て行く必要があったのかという見方はあるでしょう。ただ、難しい場面だった」

 福岡戦の後半アディショナルタイム、90+6分。千葉陣内の右サイドでの相手のスローインから松本泰志にフリーでクロスをあげられた。そしてフアンマにヘディングを許し、失点してしまった。

 相手を追い込むために人数をかけてプレスを仕掛け、その結果、ボールがラインを割っている。そこで気を緩めてしまった面もあったのかもしれない。福岡の選手にすぐにリスタートされると、松本に寄せる間もなく、クロスを上げられた。

「自分の中に勝とうとする意欲が植え付けられていなければいけないし、あとは冷静さも必要。どうすれば最後までしっかり守り抜けるかを考えなければいけない」

 集中力が切れたようには見えなかったが、逆にボールに集中するがゆえに全体が見えず、スキが生まれたようにも映る。木を見て森を見ず、と言うべきか。指揮官が言う「冷静さ」を欠いたのは確かだった。木を見て森も見る。それがこそが勝利に通ずる道。

 集中し、しかし冷静にーー。そのバランスの取りようが今後は重要になる。ピッチ内でそれを実践するのは選手自身だ。選手それぞれが、同じ姿勢でプレーしなければ、改善は難しいのかもしれない。福岡戦後に田口泰士は「意識を変えることが必要」と話したが、もはや誰か一人の問題でもベンチの問題でもなく、選手個々、ひいてはチーム全体の問題ととらえて、しっかり改善していかなくてはならない。

 次節(5日)はアウェーの京都戦。難しい戦いになること必至だが、勝ち点3の獲得に全力を注ぐと指揮官は言った。

「中2日の試合で、体力的にかなり厳しいですが、(福岡戦とは)違う選手も準備してくれています。前回の試合は本当に惜しい、引き分けでした。ただゲームの内容は少しずつよくなってきているので、最後の集中力という部分が改善できるのであれば、いい結果をつかめると思っています。毎試合、簡単な試合はなくて、厳しい試合を戦っていますが、アウェーでいい結果を得られるようにしたい」

 いい結果とは、すなわち勝利だ。いい守備から良い攻撃にスムーズに移行してゴールを奪い、そして集中した守備で冷静にゲームを運ぶ。それは欲張りな要求か。否、昇格を目指すなら、常にやり遂げねばならないタスクだろう。