ジェフユナイテッド千葉の尹晶煥監督がアビスパ福岡戦を前にオンラインで取材に応じた。チームは現在3連敗中だが、指揮官は浮上のために、相手ではなく自分たちにある問題を改善しなくてはならないと強調した。

上写真=福岡戦に向けてトレーニングする尹監督(写真◎JEF UNITED)

疲れていても、あと一歩を踏み出せるか?

 3連敗中のチームについて、指揮官は雰囲気自体は落ちてはいないと話した。しかしながら、いっこうに改善が見られない問題についても言及した。尹監督が指摘するのは「集中力の欠如」だ。

「選手たちのピッチにおける波が激しい。チームとしてやらなければいけないことを(前節終了後)この3日間で、選手に改めて話してきました。チームがやろうとしていること、やらなければいけないことを意識すれば、絶対に改善できると思っています。連敗はしていますが、ここでしっかり力を出さなければいけない」

 10節の町田戦から松本戦、磐田戦と3連勝を飾り、尹体制になってから力を注いできた組織立った守備と効率の良い攻撃がいよいよ形になってきたと思わせた。しかし、13節の長崎戦から徳島戦、北九州戦と上位陣との対戦で3連敗。チームは上昇気流に乗りかけて結果、乗り損ねてしまった。その要因を尹監督は相手ではなく、自分たちの中に見いだしている。

「われわれの選手たちの波が激しいことが問題です。相手がよくやったというよりは、われわれから崩れていくことが多い。選手たちには集中力を要求しています。集中したときには良い試合をするのですが、それができない。いきなり熱くなってしまったり、相手のプレッシャーが強いときに選手たちに波が起こる。
 選手個人個人の能力だったり、気持ちの奥底に眠っている何かに問題があるんだと思っています。選手個人個人が改善しなくてはいけないし、毎回、それについて話していますが、正直、まだ難しいところもあります。
 自分が疲れていても、チームのためにもう一歩でも足を出す、走るという心づもりが必要ですし、チームとしてやろうとしている守備は明確なので、それを90分続けることができれば、本当にいいゲームができる。でもいまはそうできず、毎試合、波の激しいプレーを見せています。消極的なプレーが出ることによって試合の流れも変わってしまう。まずは相手よりもわれわれ自身の心の持ちようが大事です」

 福岡戦に向けて何が重要になるかと問われたとき、指揮官は敵は相手よりもむしろ「自分たち」であると強調した。裏を返せば、自分たちの力を発揮できれば、勝利を手にする自信があるということだろう。歯がゆいのは、そういう実感がありながらも、実際にそうはならない試合が多いこと。北九州戦は先制しながらもゲーム運びに失敗し、逆転を許すことになった。波のある戦いぶりでは安定的に勝ち点を積むことなどできない。

「守備のときのそれぞれの役割とポジショニングは、選手たちが疲れているときほど、守らなければいけない重要事です。それが不安定になれば、簡単に失点する」

 北九州戦後、チームで問題点を共有し、手綱を締め直したと尹監督は語った。J1に自動昇格できる2位北九州との勝ち点差は現時点で15ポイント。まだまだ残り試合数はあるものの、これ以上、離されるわけにはいかない。

 まずは、今夜の福岡戦。一戦必勝で、臨む。