京都サンガF.C.は東京ヴェルディに0-2で敗れ、順位も9位に後退。これで5戦未勝利となった。苦しいチーム状況を好転させるために、庄司悦大はチームに警鐘を鳴らす。選手同士の話し合いと意識を改めてることが必要だ。

上写真=庄司はパスを循環させることができなかったことを悔やんだ(写真◎J.LEAGUE)

■2020年8月29日 J2リーグ第15節(観衆2,432人/@味スタ)
東京V 2-0 京都
得点:(東)小池純輝、山本理仁

回すべきときに受け手がいない

 東京Vのプレスが総じて素早かった面はある。相手は前からハメに来て、京都としては窮屈な戦いを強いられることになった。出しどころがなく、ボールホルダーが逡巡している間に緑の包囲網につかまり、ボールを後方に戻したり、失ったり。ピッチ上でたびたび起こっていた後ろ向きな選択が、この日の問題点だった。

「前半、相手をうまくはがして点を取るチャンスもあったし、逆にすぐにボールを失ってカウンターから危ないシーンを招くこともあった。個人的にはボールを回すべきときに、近くにボールを受けられる選手がいない、受けに来るのが遅かったというのが率直な感想です」

 ビルドアップの中心を担う庄司は、そう振り返った。

「今日はパスの出しどころがなかった。ボールを長く持ってしまうと、相手のプレスにハメられて、ゴールキーパーに戻さなければならない状況が何度もあった。やはりツータッチぐらいで簡単にボールを動かさないと、今日みたいな攻守の切り替えが早い相手と戦うのは難しい」

 確かに、積極的にボールを受けに動く選手が少なかった。詰まってボールを戻すか、大きく蹴ってつながらず、ボールを失うか。前線にウタカという基準点が持つがゆえに、預ければ前進はできるのだが、相手そこは読んでいる。成功した数は限られ、とくに後半はなかなか攻めの形を作れなかった。後半のシュート数はわずかに1本だった(試合全体では5本)。

 庄司は最終ラインからボールを引き出し、ショートパスとミドルパスを駆使して攻撃を構築しようと何度も試みたが、結局ゴールへの道を開くことができなかった。この日、敗れたことで京都は5試合未勝利。8月は連勝でスタートしたが、その後の5試合は3分け2敗だ。言わば、負のサイクルに陥っている。

「もっと選手自身が考えてプレーしたり、選手同士が話し合うとか、攻守において修正していかなければならないことがたくさんある。ここのところなかなか勝てていないが、J1昇格するためには、こういう試合を勝たなければいけない」

 現時点で首位の長崎とは現時点で14ポイント差。その差を詰めるためにも、一戦必勝の心持ちで臨む必要がある。次は中3日で臨むアウェーの大宮戦。9月最初の試合に勝ち、逆襲の月としたいところ。庄司は言った。

「まだ試合数は残っているので、切り替えて次の試合に臨みたいと思う」

取材◎佐藤 景