東京ヴェルディのMF澤井直人がギラヴァンツ北九州戦を前にオンラインで取材に応じた。ケガから復帰し、途中出場を続けている中で、少しでも早く「チームの力になりたい」と本人は言う。大一番を前に現在の心境とチームの現状について語った。

上写真=ケガから復帰した澤井。11節の福岡戦から3試合続けて途中出場中だ(写真◎J.LEAGUE)

一番面白いサッカーをしている

 右のふくらはぎを痛め、リーグ再開後、しばらく離脱していた澤井が戦列に復帰したのは8月12日のアビスパ福岡戦だった。後半途中から12分間の出場。その後も水戸ホーリーホック戦で8分、松本山雅FC戦で3分と、まだ『試運転』の状態が続いている。永井秀樹監督がその状態を見極めつつ、大事に起用しているとも思われるが、本人はチームの現状を踏まえて「焦り」も口にする。

「焦りはもちろんありますし、自分の中でももっともっと良さを出さないと、(出場している若い選手を)上回れないと思います。練習からどんどんアピールしていきたいと思っています」

 ピッチの外からチームを見つめる中で、着実な成長を感じていたという。

「選手の立ち位置だったり、ボールを奪い返すところは選手全員が高い意識を持ってやっている。それは練習から100パーセントを出していたので、時間の経過とともによくなっていくだろうとは思っていました」

 実際、チームは再開直後の3試合は2分け1敗と苦しんだものの、4戦目のヴァンフォーレ甲府に勝利して以降の9試合で5勝3分け1敗と調子は上向き。直近3試合は複数得点で3連勝を飾っている。

「(リーグの)中断明けから本当に全員が理解を深めて、良いサッカーができていると思いましたし、確実に一番、面白いサッカーをしているのがヴェルディだと思っています。ただ、その中で自分がまだまだ力になれていないというのが、正直悔しい思いはありました」

 そんなチームの好調に貢献できていない歯がゆさを、澤井は感じていたという。

「ヴェルディのサッカーは誰が出ても同じクオリティを出すということを目標にやっているので、みんながもっともっと高いレベルでプレーできれば、チーム力は上がっていくと思う。(自分も)負けないようにやっていきます」

 明日は現在7連勝中と好調のギラヴァンツ北九州と対戦する。相手にとって不足なし。自身の力を示すのにも格好の相手だろう。

「いま相手は7連勝していて、ヴェルディもこういう状況でそんな相手とできる。本当にいい相手だと思いますが、より勝ちにこだわってやっていけたら」

 居場所は自分で作るもの。ポジションは自らつかむもの。プロの世界に身を投じた人間にとっては当たり前のこと。試運転をまもなく終えて、澤井直人はここから一気に走り出すーー。