アルビレックス新潟をJ1へ! その意気や良し。湘南ベルマーレから加わった福田晃斗が8月20日、オンラインで移籍会見に臨んだ。昇格への熱い気持ちに心を動かされたという中盤のオールランダーがたかぶる思いを語った。

上写真=非常に真面目で真摯。福田の会見からはJ1昇格へのみなぎる決意が感じられた(写真◎スクリーンショット)

「チームの中心としてやってほしいと」

 サガン鳥栖、湘南ベルマーレ、そしてMF福田晃斗がキャリアで3番目のクラブに選んだのが、アルビレックス新潟だった。

「関係者と話して、J1に上がりたいという熱意を感じたのが移籍を決めた理由です。本気で上がりたいんだと感じて、自分もその一員になりたいと」

「強化部の人と話をして、ぜひチームの中心としてやってほしいと言われて、自分を試したいという思いもありました」

「いま自分に何が必要かを考えて、新潟の気持ちと自分の気持ちが合致したということです」

 4勝7分け2敗の9位と、新潟はやや足踏み状態だ。シーズン途中の移籍は当然、「即効性」が強く求められるわけで、福田も例外ではない。そして、そのことを自覚している。8月19日の第13節・京都サンガ戦はスタンドで新しい仲間の動きに目を凝らしていた。

「監督も言われていましたが、前半の内容と後半の内容が違っていました。後半のサッカーをすべきと監督もおっしゃっていた通り、見ていた側としては僕も、後半の内容を前半からできればJ1に近づくだろうと感じました。自分が入ることで体現できるようにしたい」

「負けは少ないですが、引き分けが多い状況で、1-0でも勝ちは勝ちだから、勝ち点3をしっかり取ることが大事です。勝っているのに引き分けに終わってしまうことをなくして、引き分けの試合を勝ち切っていくために、勝ち点をこぼさずに自分が出た試合に臨んでいきたいと思います」

 その中で自分がどう戦うのかのイメージもできている。

「はっきりとこのポジションというのはないですけれど、中盤ならどこでもできますし、監督が求めるところがあればそこでプレーしたい。個人としてはこだわりはないんです。求めるものに応えられればいいと思っています」

「僕の基盤となっているのはハードワーク。そこにプラスアルファで、『なんだかこの選手が出てたら勝ってるな』という雰囲気になるような、勝利に貢献できる選手でありたいです。そこはブレないでやっていきたい」

 Jリーグの公式サイトで紹介されているトラッキングデータによれば、2017年と2018年でスプリント回数が1試合で最高40回を記録、それぞれ年間で全選手の中で4位タイと8位タイだった。上下動をいとわないスタミナが証明される数字だ。

 その持ち味を生かした自分の役割は「黒子」だとはっきり認識している。

「僕自身、黒子なので周りがどう引き立つか、というか、自然と黒子のプレーになるんです。目立ってはいないけれど、なんか活躍しているという。だから、周りの選手の特徴はここ数日でつかみたいと思いますが、味方のプレーよりも自分がどう徹するかだと思っています」

 加えて、クロスの精度の高さは魅力だ。「瞬発力で一歩を抜き切らなくてもクロスを蹴るのは、自分なりに意識しているところです。ドリブラーではないですけれど、クロスを上げ切る力はあると思うので、そこでも貢献できれば」

 新潟はこの夏、中島元彦、荻原拓也を獲得し、補強策の第3弾としてこの福田が加わった。彼らを組み込んだ上で、アルベルト監督はシーズン半ばまでは波のある戦いになることを見込んでいるという。ということは、後半戦から本当の姿がピッチで見られるはず。

 福田はもちろん、そこに立っているつもりだ。