大宮アルディージャは12日、ホームでジュビロ磐田と対戦した。ゲームを2-2のドローに終わったが、衝撃的なゴールと攻撃を加速させるプレーで大きなインパクトを残した選手がいる。昨年9月以来のリーグ戦先発を果たした大山啓輔だ。

上写真=60メートル超弾を決めた大山に仲間が近寄り祝福する(写真◎J.LEAGUE)

■2020年8月12日 J2リーグ第11節(@NACK5/観衆3,029人)
大宮 2-2 磐田
得点:(大)大山啓輔、オウンゴール
   (磐)伊藤洋輝、ルキアン

自分の長所は何だろうと考えた

 距離にすれば60メートル以上。自陣のセンターサークル付近から右足を振り抜き、ネットを揺すった。3029人の観客から大きな拍手が沸き起り、マスク越しに感嘆の声が漏れた。

「今日はFKやセットプレーでキックが自分の思ったところに蹴れているという感触がありました。常に狙っていて、いつもはミスキックで入らないことも多いんですけど、(距離は)長かったですけど自分の感触が良かったので思い切って打ちました。良かったです」

 相手GKの位置を確認した視野の広さ。瞬時にシュートを選択した決断力と、GKの頭上を越え、ボールを正確に枠に飛ばしたキック技術。そしてこの得点に象徴されるが、前への意識が素晴らしかった。高木琢也監督も、その点を称賛した。

「年に何回も見られるシーンではない、いいゴールだったと思います。なぜあのシュートが良かったかというと、ゲーム中に彼(大山)はワンタッチやツータッチでボールを出していた。要するにボールを持った瞬間に前に出すという意識を常に持っていました。そういうプレーの延長線上にゴールがあると思うのですが、その意味でゲーム中のプレーが良かったから、あのゴールも生まれたのだと思います」

 今季はここまで5試合に出場していたものの、いずれも途中出場。先発を果たしたのは昨年9月7日、町田戦以来のことだった。大宮のボランチは激戦区で、とりわけ競争が激しい。自身の立場を好転させていくには、持ち味をしっかり示し、結果を残す必要性があった。本人に期する思いがあったのは想像に難くない。

 そして大山は、結果を出した。

「このチームには特徴のあるボランチの選手がたくさんいる中で、久しぶりのスタメンでしたし、自分の長所は何だろうと考えたときに、やっぱり前を向いて配球できるところをアピールしていかないといけないと。それは試合前から意識していたところです」

 そんな意識がゴールを生み、高木監督もその姿勢を評価した。ゴールのインパクトに隠れがちだが、横ではなく縦を強く意識したパスでもチームの攻撃を加速させるという重要な役割を担った。元来、展開力や構成力のある選手だが、この日の磐田戦は、あらためて大山啓輔というプレーヤーの特徴と価値を示す一戦になったと言える。

 今後はより頻繁に、試合開始からピッチ中央で躍動するボランチ大山の姿を目にするに違いない。