明治安田生命J2リーグ第9節で8月9日にはFC町田ゼルビアとジェフユナイテッド千葉が対戦。前半の終盤で立て続けに2点を奪った千葉が後半も余裕を持って試合を進め、町田の連続攻撃をストップ。第5節以来の勝利を手に入れた。

上写真=先制ゴールを挙げた田口が喜ぶ。守備での貢献も光った(写真◎J.LEAGUE)

■2020年8月9日 J2リーグ第10節(@Gスタ:観衆1,478人)
町田 0-2 千葉
得点:(千)田口泰士、米倉恒貴

「ナイーブな部分が…」とポポヴィッチ監督

 公式記録によれば、気温は29.3度、湿度68%、無風と非常に厳しいコンディション。前半は様子見の序盤から一進一退の攻防を経て、町田が優勢に試合を進めていく。

 最終ラインからの縦パスをスイッチに、14分にはロングボールで、17分にはグラウンダーのパスでチャンスを演出。特に後者は平戸太貴のフリックと中島裕貴のポストを組み合わせた2人のパス交換でゴールに迫り、平戸が左に丁寧に流し込んだボールをマソビッチが右足で狙ったビッグチャンス。これは、千葉GK新井章太が左足でブロックした。

 千葉は山下敬大と川又堅碁のパワフルな2トップに早めに送り込んで活路を見出そうとして、少しずつ盛り返す。すると41分、川又が倒されて得たゴール正面、30メートルほどのFKを田口泰士が低く狙うと、相手に当たってコースが変わりゴールイン。千葉が先制に成功した。大きかったのは、その2分後に追加点を挙げたこと。GKからのキックを山下が右サイドからヘッドで中へ、川又が胸に当てて落とすと、右サイドから中に入ってきた米倉恒貴が左足で蹴り込んで、2-0とした。

 このスコアで後半に勢いを出すのは、もちろん町田。後半開始から186センチの長身FWステファンを入れて前線にターゲットをセットし、64分に安藤瑞季をそのパートナーに据えると相手DFを脅かして活性化、70分に森村昂太を右サイドに送り込んで、さらにゴールを狙った。しかし、皮肉なもので、逆にこれを跳ね返し続けた千葉に守備のリズムが生まれ、集中が際立つことになった。

 その流れは試合終了まで変わらず、千葉が逃げ切りに成功。実に5試合ぶりの勝利を手にした。尹晶煥監督も「最後まで選手たちが集中して守ってくれた」「すべての部分がうまくかみ合った」と大きな満足感を口にした。一方の町田は初の連敗。「うちのナイーブな部分が出てしまった。崩されてビッグチャンスを作られたわけではないし、うちはボールを動かして連動してチャンスをいくつか作れたのだが」とポポヴィッチ監督は不運を嘆いた。

現地取材◎平澤大輔 写真◎J.LEAGUE