大宮アルディージャの畑尾大翔が明日8日に対戦するアルビレックス新潟の印象と上位対決に向けて意気込みを語った。経験豊富なDFはとくに新潟攻撃陣の破壊力を警戒。1プレーでチームの雰囲気を変える本間至恩も注意すべき存在として名を挙げた。

上写真=金沢戦で今季初出場を果たした畑尾(写真◎J.LEAGUE)

金沢戦は「最低限の結果」と振り返る

 第8節のツエーゲン金沢戦で今季初めてピッチに立ったDF畑尾は、久々の公式戦についてこう振り返った。

「勝ち点3が絶対に必要なゲームでした。三門(雄大)さんがハーフタイムで代わりましたけど、そうなると僕がフィールドで最年長。自分のことよりもチームのことを考えました。チームを勝たせなければいけない立場だと思っていたので。その最低限の課題をクリアできたからよかったかなと」

 結果は1-0。守備者としては相手をゼロに抑え、勝ち点3をしっかり持ち帰ったのだから、満足のいく内容だった…と思いきや本人のパフォーマンスに対する評価は辛口だ。

「大きく見れば悪くはなかったかなと思いますけど、僕個人としては、もっともっと詰め行かなきゃいけない部分があるとやりながら感じていました。いくらいい準備していても、やっぱりゲームの中でしか得られない、できないことがたくさんあると思うので、試合を重ねることで一つ一つの質をもっともっと上げていければと思います」

 リーグ再開直前に負傷し、一時期、戦列を離れることになった。チームに戻り、調整を続けてようやく本格復帰を果たせたのが、金沢戦。先発フル出場を果たし、さあ次も、との思いで迎えたのが、新型コロナウイルスの影響により試合直前で中止となった福岡戦だった。

「僕らがNACK5スタジアムに到着して、着替えようとしたタイミングで『ちょっと待って』ということで待たされて、選手みんなで待っているところに強化部長が来て、福岡の選手に、陽性の可能性の高い人が出たので、きょうは中止と言われました」

 予期せぬ事態を、本人は冷静に受け止めていた。

「こういう状況ですから、いつかは起こり得ることだとは思っていました。今回は対戦相手でしたが、自分たちにも起こり得ます。いくら感染予防をしていても防ぎきれないところもあるという気もしているので、そこまであたふたすることはなかった」

 そういう不測の事態も受け入れながら戦うのが2020年シーズンなのだろう。すでに畑尾の視線はに新潟戦にしっかり向けられている。新潟の印象について聞かれると、「個々のレベル、とくにアタック陣のレベルが高いですし、色々と注意して対策していかないといけない。ただその分、僕たちがつけ入るスキも必ずあると思うので、そこはミーティングなりトレーニングの中で、選手間でもコミュニケーションを取ってやっていければ」と語った。

 そしてアタック陣に言及する中で、一人の選手の名を挙げた。

「(注意すべき選手を聞かれて)外国籍選手はもちろんそうですが、今、10番の本間選手が見ていて状態がいいのと感じます。もともと能力がある選手だと思いますけど、さらに状態もいいようにも見えるので、そこはしっかり対応していきたい」

 勝敗の行方を左右するような決定的なプレーが光る新潟のナンバー10。チームが誇る若きタレントを自由にプレーさせるようなことになると、新潟を勢いづかせることにもなる。だからこそ警戒するのだ。

 しっかり新潟攻撃陣を抑え込んで勝ち点3を持ち帰る。そんな青写真を携えて畑尾は、明日ビッグスワンに乗り込む。