明治安田生命J2リーグ第9節で、唯一8月1日に行なわれたファジアーノ岡山とFC琉球の一戦は、琉球が2-1で逆転勝ち。開始直後のアクシデントをはね返し、待望の今季初勝利をつかんだ。

上写真=前半から押し気味に進めた琉球が岡山を逆転し、9試合目にして今季初勝利(写真◎石倉利英)

■2020年8月1日 J2リーグ第9節(@Cスタ:観衆2099人)
岡山 1-2 琉球
得点:(岡)三村真
   (琉)上里一将、阿部拓馬

・岡山メンバー◎GKポープ・ウィリアム、DF下口稚葉、濱田水輝、田中裕介、野口竜彦(85分:ユ・ヨンヒョン)、MF三村真(HT:関戸健二)、白井永地、上田康太(73分:赤嶺真吾)、上門知樹、FW清水慎太郎(HT:イ・ヨンジェ)、山本大貴(73分:椋原健太)

・FC琉球メンバー◎GKダニー・カルバハル、DF田中恵太、鈴木大誠、李栄直、福井諒司(90+2分:鳥養祐矢)、MF風間宏希(6分:上里一将)、小泉佳穂、風間宏矢(70分:上原慎也)、池田廉(90+2分:山口和樹)、富所悠(70分:河合秀人)、FW阿部拓馬

後半の2得点で逆転勝ち

 ファジアーノ岡山は最近3試合未勝利で17位、FC琉球は今季開幕から未勝利で21位と、苦しい状況が続く両チーム。岡山の有馬賢二監督、琉球の樋口靖洋監督とも3連戦の最後にメンバーを入れ替え、岡山は前節まで全試合に先発し、チーム最多の3得点を挙げているFWイ・ヨンジェ、琉球は前節まで全試合フル出場のMF上里一将が控えスタートとなった。
 
 ところが琉球の上里は、すぐに交代出場することになる。開始直後の1分過ぎ、風間宏希が相手選手との接触で負傷。担架で運び出されてピッチに戻れず、上里が6分に交代出場して、早くも交代枠を使うアクシデントに見舞われた。
 
 それでも琉球は敵陣で試合を進め、阿部が惜しいシュートを放つなどゴールに迫っていたが、先制したのは岡山だった。16分、ゴール前で清水がエリア内左の山本にスルーパス。山本のシュートはGKに止められたものの、こぼれ球を三村が蹴り込んだ。
 
 だが、その後はミスの多さでリズムに乗れない岡山に対し、前半のボール支配率が67パーセントと高い数値を記録した琉球は、後半開始から圧力をさらに強めた。際どいシーンを増やしていくと、59分に同点とする。エリア外左サイドでFKのチャンスを得ると、上里が左足で直接ゴールを狙い、鮮やかにネットを揺らした。
 
 その後はお互いにチャンスを決められなかったが、終盤に2点目を奪ったのは琉球だった。84分、上里のFKを岡山GKポープがパンチングしたボールを、DF田中恵太が拾って約35メートルのロングシュート。無回転のブレ球になってゴールを襲い、これもポープは懸命に防いだが、エリア内にこぼれたボールを詰めていた阿部が拾い、右足で蹴り込んだ。

 その後の反撃をしのいだ琉球は、2-1で待望の今季初勝利をつかんだ。樋口監督は「9試合目にして、ようやく初勝利を挙げることができた結果に対し、選手・スタッフ、そして琉球にかかわるすべての皆さんで、まずはこの1勝を喜びたい」とコメント。7月29日の前節から中2日の厳しい日程でつかんだ勝ち点3を喜んでいた。

現地取材・写真◎石倉利英