明治安田生命J2リーグは7月25日の第7節から「2度目の3連戦」に入っていくスケジュール。ジェフユナイテッド千葉の尹晶煥監督がオンライン会見を開き、ここまでの「ラインが低すぎる」反省を元に今後の戦いを展望した。

上写真=尹晶煥監督が練習で選手を鼓舞する。甲府戦へいい準備が整ったと話す(写真◎ジェフユナイテッド千葉)

低い位置で表現するしかなかった

 J2リーグは各チーム6試合をこなし、シーズンの7分の1を消化したことになる。ジェフユナイテッド千葉の順位は7位。3勝3敗と五分の星だが、ホームでの1勝は2月の開幕戦で手にしたもので、再開後はアウェーで2勝、そして3敗すべてがホームでのものだ。

 尹晶煥監督は「7分の1の戦い」を振り返って、このホームとアウェーの戦績について、つまりはサッカーの本質について改めて強調するのだ。

「ホームで続けて黒星を喫しているので、そういう意味では気分的にいいということはありません。どうしてでもホームでは勝たなければいけないですし、アウェーではどんなに悪くても勝ち点1を持って帰ってくる試合をしなければいけません。その部分では反対になっていて、選手もそのことにおいては考える必要があります。お互いにそういう考えを持てば、もっといいチームを作っていけると思っています」

 ホームで勝つ。アウェーで引き分ける。その理想を突き詰めていくために、監督も選手もそれぞれで認識を統一していく必要がある。それがサッカーに向かう「意識」の面での再確認ということだろう。

 細部に目を移せば、「高さ」の課題が浮き彫りになってくる。

「毎試合、少しずつ感じていたことなのですが、攻撃がいいと守備が物足りないときがあり、守備がいいのに攻撃が物足りないときがありました。第1に、守備ラインが下がりすぎていることは選手に話しました。そうすることで、私たちが見せなければいけない部分を低い位置で表現するしかありませんでした」

「もちろん、自然に下がってくることは問題ないのですが、最初からラインを下げてしまうと危険性が高くなります。攻撃に出ていけるときに力が発揮できないですから、選手にも話をしました。そこがもったいなかったなと」

「不必要に守備ライン下がりすぎていて、そうすることによって自然に攻撃に出ていけなくなりました。毎試合、不足している部分を試合を通して改善していけば、選手たちが経験を積んでいい試合ができると思っています」

 特に6節の東京ヴェルディ戦では、執拗にボールをつないでくる相手に対して低く構えすぎてしまって、推進力をもぎ取られた反省がある。そこが戦術的な改善点になってくるだろう。最終ラインをプッシュアップする勇気を選手に注入して、次の試合に向かう。

 J2リーグは再開後、「2度目の3連戦」に入っていく。千葉に用意されているのは、7節ヴァンフォーレ甲府と8節モンテディオ山形とのアウェー連戦、そしてホームに帰ってきて9節ザスパクサツ群馬戦というカード。まずは、同じ勝ち点9で、守備の激しさに定評のあるところも似ている甲府戦だ。

「相手がどういう風にしてくるか分かりませんが、私たちは相手に合わせて試合をするというよりも、もう少し表現したいプレーを出さないといけないと思っています。それができればいい試合になると思っています。もちろん、相手には注意する選手は何人かいますし、セットプレーで決めていますので、その部分でも気をつけなければいけないと思います」

 アウェーだから、まずは勝ち点1を死守する。その上で、状況次第で3を狙うかどうか。そのあたりの細やかな駆け引きが楽しみだ。