開幕4連勝のあとで、まさかの2連敗。J1昇格を目指す大宮アルディージャにとって明日の松本山雅FC戦は、再び流れを取り戻す上で重要な試合になる。右サイドで勇躍する渡部大輔がオンラインで取材に応じ、松本戦への意気込みを語った。

上写真=東京V戦で決勝点を挙げた渡部大輔(写真◎Getty Images)

サードストライカーとしてプレーする

 リーグ再開後、5戦すべてに右ウイングバックとして先発している渡部は、現在の自身の役割についてしっかり整理している。まず、サイドの攻防で対面する相手にまさること。守備では自由を許さず、攻撃ではしっかりゴールに絡む。

 実際、目に見える形で攻撃面の役割をまっとうしたのが4節の東京ヴェルディ戦だ。開始51秒。自ら電光石火のゴールを決めている。左サイドのスローインの流れから、左ウイングバックの酒井宣福がゴール前に入れたクロスに鋭く反応。相手守備者の視界の外から一気に加速し、ボックス内に走り込むと、しっかりボールをとらえてネットを揺らした。

「ワイドなポジションの選手はサードストライカーになれ、というのは去年から言われていること。得点も取れる選手じゃなければ、というのがまず、あります」。右ウイングバックとして意識している点について、渡部はこう説明する。

「チームの強みとして、ワイドのクロスからワイドが点を取るというところがある。逆サイドが突破できそうなときは積極的にゴール前に入っていこうと思っています」

 東京V戦ではそんな渡部の得点が決勝ゴールとなった。ただ、開始早々のこのゴール以降は、相手にボールを持たれ続けて苦しい戦いを強いられた。欲しかった追加点もダメ押し点も手にできず、耐える時間が長くなってしまったのは、反省材料だろう。複数得点を挙げてゲームをコントロールし、首尾よく勝ち点3を得るのが目指すところ。連戦の消耗度を考慮しても、ゲーム展開には改善の余地がある。

 事実、東京V戦以降の2試合(栃木戦、甲府戦)では攻めあぐんで、ついぞゴールを挙げられずに連敗することになった。高木監督も言及しているが、得点力を向上させる必要がある。

「(相手は)真ん中を固めてくるので、サイドを打開できれば、得点につながる機会は増えると思っています。この2試合に関してはサイドを崩し切れなかったというのが、自分の中では反省点。クロスを上げることができたので、そのクロスからの得点というのは、もっと中の選手と話し合って増やしていきたい」

 渡部もその必要性を認識する。明日、対戦する松本も真ん中の守備は固い。自然、渡部の仕事の重要度は増す。

「複数得点がなかなか取れていないので、1点だけではなく2点取れるようなゲーム展開にしなければいけないし、仮に先制されたとしても逆転できるメンタリティーを持ってやらないと、この先、先制されたら全部負けてしまうようなことになってしまう。まずは複数得点が取れるようにやっていきたい」

 今季3度目のNACK5。松本戦で、ゴールラッシュはなるか。