J2は7月15日の第5節で再開後、初めて週中のゲームを迎える。つまり、連戦のスタートだ。注目カードの一つがツエーゲン金沢対ジェフユナイテッド千葉の一戦。厳しさを前面に押し出す監督同士の信念がピッチで火花を散らす。

上写真=右手にホイッスル。左手にストップウォッチ。尹晶煥監督は金沢戦に向けてハードワークを求める(写真◎ジェフユナイテッド千葉)

ミスしてもトライを

 栃木SCの次がツエーゲン金沢。ジェフユナイテッド千葉にとってみれば、この連戦は中3日で行われるというだけではない厳しさを伴うものだろう。相手はどちらも前線から守備の圧力を強烈に高めてくるスタイル。フィジカルバトルへの耐性を連続で試されるからだ。

 7月11日、栃木には残念ながら0-1で逃げ切られた。「まずは相手の注意すべき選手をマークできずに自由にさせたことが残念ですが、強くプレッシャーに来る相手を怖がったプレーが多かったと思います。後ろでボールを持ってはいるけれど、うまく前に運べないところがありましたし、選手たちの試合に対する集中力が落ちました」。尹晶煥監督は改めて指摘する。

 だから、15日の金沢戦では「怖がるな!」がキーワードになる。柳下正明監督率いる金沢は、ハードなマンツーマン守備が代名詞。高い位置で奪ってショートカウンターを見事に決める意識がしっかりと共有されている。対策は、こうだ。

「後ろでつなぐ部分においては、うまく回せるなら回して前に運びますが、全体的にうまく行かなかったときに違う考え方を持っていかなければいけません。金沢もうちもセカンドボールへの準備をしっかりすると思いますし、リスクや危険性のあるプレーは最大限、控えるべきだと思っています」。つまり、一つの戦い方に固執するな、というわけだ。

「うまく行かないのもサッカーというものです。誰かのミスによって失点はしますし、逆に言えばチャンスも生まれます。できるだけミスを減らす必要がありますし、逆にミスに乗じて我々が攻撃できるのならばいいチャンスをつかめると思っています」

 こう聞けば、かなり堅い試合になりそうな予感も漂う。ただ、金沢はアルビレックス新潟から5点を奪った実績があるし、千葉も水戸ホーリーホックから3ゴールを奪っている。厳しく守り合いながらも、一つゴールが生まれるとそこから連発、という展開も考えられる。

「正直に言えば、自分の考えでは相手陣内に入っていくときに流動的に連動性を保つことが必要です。バイタルエリアに入ればシュートの意識を持ちながらアイディアを持ってプレーしてほしいので、選手たちにはミスしてもトライを続けてほしいと思います。中央突破だけではなくサイドからのクロスをうまく活用できればいいし、そうすれば今度は中央突破のタイミングも出てくる。相手のミスも生まれる可能性もあるわけで、攻守の切り替えのスピードを早くしなければいけません」

 守備は岩の堅固さのようにソリッドに、攻撃は水の流れのようにリキッドに。シビアなアウェーゲームを前にして、尹晶煥監督は厳命した。

「連敗は絶対に許されない」