再開後の3試合は2分け1敗。結果は出ていないものの、ボール保持率は70パーセントを越える。そんなチームの現状を、高橋祥平もポジティブにとらえていた。7・15の甲府戦を前に現在の状況と今後の課題について語った。

上写真=再開初戦、町田戦の高橋祥平(写真◎J.LEAGUE)

僕らには、やれている感覚がある

 ヴェルディがチームとして志向するのはボールを保持し、相手を圧倒して勝つこと。実際、再開後の3試合は70パーセントを越えるボール支配率を誇る。しかしながら、勝利には見放され、結果は2分け1敗。勝ち切れていない。チャンスをゴールに変えられないケースが目につくが、同様に、高橋祥平が問題視しているのが、毎試合失点している事実だ。

 再開初戦の町田戦、続く栃木戦、そして大宮戦と3試合いずれもで1失点している。結果は、引き分け、引き分け、敗戦。栃木戦で不運な形で退場となった高橋は大宮戦に出場できなかったものの、ディフェンスの中心選手として、この結果に忸怩たる思いがある。

「もっと集中しないといけないなと感じます」

 町田戦は開始3分、相手のサイドチェンジにスライドが遅れ、ボールホルダーに寄せ切れずにミドルシュートを許した。大宮戦は試合開始早々も早々の1分、右サイド深く進入を許すと簡単にクロスを通され、相手選手に詰められて失点した。

 そして栃木戦。そもそも高橋が退場することになったのも、チームの集中力の欠如が原因だ。後方でポゼッションしている中で、相手のプレスを回避しようとGK柴崎貴広までボールを下げた。そこから佐藤優平に送ったパスをカットされてシュートを許す。柴崎は自分で弾いたが、そのボールがシュートコースを防ぐためにスライディングしていた高橋の手に当たってしまった。不可抗力だったが、高橋は一発退場となった。

 柴崎がボールを出す瞬間、佐藤は逆サイドへパスを出すように指示を送っている。その中でパスがズレてカットを許した。そこまでプレッシャーがかかっていた場面ではない。普段ならあり得ないようなミスだった。だから高橋は「お互いに集中しないといけない」と言うのだろう。

 裏を返せば、集中して守りさすれば、勝ち切るだけの力が今のチームにはあるということ。そんな思いが発する言葉に、にじむ。

「僕たちには徐々にやれている感覚がある。1試合2試合でできたら簡単ですが、チームのやり方が浸透しています。サポーターの方には僕たちを信じてほしい。やれている部分と出来ていない部分が少しずつ分かってきているので、必ず上に行ける自信があるので」

 明日(15日)は甲府戦。芽生えつつある自信をピッチで表現できるか。

「外国人選手が、(甲府の)攻撃陣はけっこう強力だなと思っています。そこは負けないというか、1対1で負ければいい。個人的には、泉澤仁とは大宮時代に左サイドでパートナーとしてやっていましたし、1年に何回かは連絡を取る仲。お互いに苦手な部分も知っていますし、止めたいなと思っています」

 今季からヴェルディに復帰し、8年ぶりに緑のユニフォームをまとって、いよいよサポーターの前に立つ。ホーム味スタで、高橋は自身の8年間の成長と、永井ヴェルディの可能性を示すつもりだ。