明治安田生命J2リーグ第4節が7月10日に行なわれた。再開後Jリーグ初の有観客試合としても注目されたファジアーノ岡山とギラヴァンツ北九州の激突は、アウェーの北九州が2-0で勝ち、前節に続く連勝を飾った。

上写真=再開後初の有観客試合となり、スタンドではマスク姿のファン・サポーターが熱闘を見つめた(写真◎石倉利英)

■2020年7月10日 J2リーグ第4節(@Cスタ)
岡山 0-2 北九州
得点:(岡)なし
    (北)髙橋大悟、佐藤亮

・岡山メンバー◎GKポープ・ウィリアム、DF椋原健太(83分:松木駿之介)、濱田水輝、後藤圭太、徳元悠平、MF上門知樹(77分:関戸健二)、パウリーニョ、上田康太、白井永地(77分:山本大貴)、FW清水慎太郎(62分:齊藤和樹)、イ・ヨンジェ(83分:赤嶺真吾)

・北九州メンバー◎GK永井堅梧、DF福森健太、岡村和哉(81分:川上竜)、村松航太、永田拓也(79分:野口航)、MF髙橋大悟、加藤弘堅(79分:永野雄大)、國分伸太郎、椿直起、FW池元友樹(60分:佐藤亮)、鈴木国友(81分:ディサロ燦シルヴァーノ)

後半の半ばに連続ゴール

 新型コロナウイルスの影響による各種イベントの開催制限が緩和された7月10日、J2リーグ第4節のファジアーノ岡山対ギラヴァンツ北九州は、再開後Jリーグでは初めての有観客試合となった。発表された観客数は2294人で、声を出しての応援や手拍子などは禁止という制限付きながら、2月末以来となる会場での観戦を堪能。スタジアムではワンプレーごとに拍手が沸き起こり、わずかながら声援も聞こえるなど、観客が戻ってきたことを感じさせる雰囲気の中で行なわれた。
 
 試合は立ち上がりから岡山がボールを支配して押し気味に進めるが、徐々に落ち着いた北九州もサイドチェンジを交えながら攻め込む時間を増やしていく。岡山はMFパウリーニョ、北九州はMF髙橋のミドルシュートなどで惜しい場面もあったが、得点には至らず、スコアレスで前半を終えた。
 
 後半は立ち上がりからゴール前のチャンスが続く。北九州は53分に左サイドを崩し、エリア内中央で髙橋が左足ダイレクトで狙ったが、クロスバーの上へ。岡山も54分にエリア内右サイドからFW清水がシュートを放つも、相手のタックルに阻まれて決まらない。
 
 一進一退の攻防から、一気にスコアを動かしたのは北九州だった。61分、FW鈴木が放ったシュートが相手DFに当たり、エリア内右サイドにこぼれる。これを拾った髙橋が右足を振り抜き、ニアサイドを破ってネットを揺らした。さらに63分には、3分前に交代出場したばかりの佐藤が、MF加藤の縦パスからフリーで抜け出す。そのままGKとの1対1を冷静に沈め、前節に続く2試合連続ゴールで2-0とした。
 
 その後も3点目を狙って意欲的に攻め込む北九州に対し、岡山はボールコントロールやパスなどで細かいミスが続き、なかなか良い形を作れない。それでも終盤はセットプレーなどで懸命にゴールを目指したが、北九州は最後まで集中力を切らさず、そのまま2-0で勝利を収めた。
 
 J3リーグからの昇格後初勝利を飾った前節に続き、連勝とした北九州の小林伸二監督は「前半はセカンドボールを拾えず、テンポが作れなかった。右サイドを突破しても、左サイドに持ってくることができなかったのが、幅ができなかった要因。そこを後半はうまくできて点が取れたので、修正できた。失点ゼロで終わったこともよかった」と満足げ。リモートマッチから有観客試合になったことについては「岡山のサポーターの皆さんに、自分たちのサッカーを少しでも見せられるのはありがたいこと。見てもらうことが、選手のモチベーションを一番高めると思うので、こういう感じなんだな、と思い出せるような試合ができた」と語り、観客の前で試合ができたことを喜んでいた。

現地取材・写真◎石倉利英