尹晶煥監督流の厳格さを身にまとったジェフユナイテッド千葉が、着実に歩を進めている。2勝1敗で7月11日に迎えるのは、栃木SCだ。高さと強さを全面に押し出してくることが予想される相手に、「集中」という王道を説くのだった。

上写真=勝利によってコンディションもアップ。尹晶煥監督の士気も上がる(写真◎ジェフユナイテッド千葉)

「いい雰囲気で発展できる」

 アウェーの水戸ホーリーホック戦で再開後初勝利を手にして、「すべての選手たちに祝福を贈りたい」と話していたジェフユナイテッド千葉の尹晶煥監督。次の栃木SC戦を前にして「アウェーでうまく勝つことができたので、ホームで連勝したい」と切り替えている。

 J2はこの第4節からいよいよ連戦となる。千葉は7月11日にホームで栃木と戦ったあと、15日にアウェーでツエーゲン金沢戦に臨み、18日にホームに戻ってきて東京ヴェルディと対戦するスケジュール。栃木戦前日のミーティングで選手たちに話したのは「特別なことというよりは精神的なことで、これから3連戦に入っていくので、すべての選手が集中しなければいけない、ということ」だという。栃木戦からは有観客試合となるし、また新しい環境に適応していく必要がある。そのときに重要なのはスペシャルな何かではなく、最もベーシックな集中力である、と説いたのだ。

 連戦では試合に向かう準備がこれまで以上にカギを握りそうだが、まずはこの1週間は「前の試合の勝利のおかげで選手のコンディションがいい」のだそう。「コンディションの回復、そして、前回の試合で良かった部分があり、できなかった部分もありました。何かを重点的にやるというよりは、まずは良かった部分を続けてやっていかなければいけないと話しました」と長所を確認する時間にしたようだ。

 改めて水戸戦の勝利の根源と分析しているのは「組織的な守備」「守備をしながらのいいカウンター」「最後まで集中した姿」の3つだ。栃木戦でもこの点が勝利の条件になるとにらんでいるようで、中でも集中力については「明日の天気がどうなるか分からないけれど、集中力がいる試合になると思う」と言及している。予報は、曇。

 もちろん、水戸戦の反省点も連勝への貴重な材料になる。「修正しないといけないのは、サイドからドリブル突破する選手に対する準備が明確にできず、危ない状況も作られた」こと。ここが一つのポイントになりそうだ。

 栃木については「すべての選手がパワフルで、運動量が多いチームという印象を受けました」と明かす。今季は高い位置からボールを奪いに来る積極的な守備を掲げているチームだが、「もし前からプレスに来るのであれば、危なく無理なプレーをする必要はないと思っている」ときっぱり。

「すべての選手が高い意識でやってくれている。勝ったことでいい雰囲気で発展できる」

 その好循環をさらに続けていくために、栃木戦必勝の構えは絶対なのだ。