ジェフユナイテッド千葉が上々のスタートだ。3節を終えて2勝1敗の3位。今季新加入のストライカー、山下敬大も立役者の一人だ。再開後の2試合で先発を勝ち取り、移籍後初ゴールも決めた。守備への忠心がチームを支えている。

上写真=再開後に先発を続ける山下。移籍後初ゴールも決めてノッている(写真◎ジェフユナイテッド千葉)

「コンパクトに足を振ろうと」

 まずは手放しで喜んでいいだろう。記念すべき移籍後初ゴールなのだから。7月4日の水戸ホーリーホック戦の6分、右足を振り抜いて決めたファーストゴールを「個人としてもまずは移籍後初ゴールをうれしく思います。試合のことを言えば早い時間帯に先制点を取れたのが非常に良かったです」と自分の喜びとチームへの貢献の両方を改めて表現した。

 右サイド、相手陣内に入ったところで米倉恒貴がプレッシャーをかけ、こぼれたところをクレーベが収める。米倉はそのまま右タッチライン際を駆け上がっていき、クレーベが確実に足元に流し込む。深い位置まで持ち上がった米倉が時間を作りながら中の動きを確認すると、山下敬大はバックステップを踏むようにして少し戻りながらボールを呼び込むスペースを自分の前に作り出した。米倉もそれを待っていて、丁寧にセンタリング。山下は右足を振ってゴールに流し込んだ。

「高い位置で奪えて、クレーベとヨネくんと少ない人数で素早いカウンターができました。ヨネくんが持ったときにディフェンダーが深い位置にいたので、難しい角度だったけれどワンタッチでしっかりとコンパクトに足を振ろうと思いました」

 チームの狙いがはまった上で自らのシュートで決めた一発だから、余計に気持ちよかっただろう。昨季は同じJ2のレノファ山口で37試合11得点。その実績の通り、まずはゴール前での冷静さを披露する丁寧なフィニッシュとなった。

 ところが、2試合連続で先発を勝ち取ったのは、山下自身の感覚ではこの得点力のおかげというわけではなく、むしろその逆の「守備のところが大きい」というのだ。

「いい攻撃をするために守備から全体で意識していて、FWだからといって走らなくていいとか守備をしなくていいということではありません」

「僕だけとか2トップだけではなくて、FWが後ろを見ながら組織的にブロックを作って自分のポジションに帰ってしっかり守備をしよう、と、そういうところを意識しています。あとは、後ろの声を聞きつつやっています」

「ユンさんも言ってますが、しっかりと守備から入る分、攻撃のチャンスが少なくなると思うけれど、いい守備からいい攻撃に移っていくために、我慢というよりはチャンスをうかがいながらみんなで一体となって守備しようと。だから、苦ではないですね」

「ほかにもたくさんいい選手いる中でスタメンで使われているのは、守備のところが大きいのではないかと思います」

 尹晶煥監督のフィロソフィーと相性がいいようだ。

「少ないチャンスを僕たちFWがものにして早い時間帯で先制するのは、試合を進める上で大事なんです」

 守備に力を割いた上で、ゴール前で集中力を研ぎ澄ませる。難しいミッションだが、やりきる自信はある。水戸戦で見せたような電光石火の先制弾を、次の栃木SC戦でも狙っている。