7月5日、明治安田生命J2リーグの第3節が開催された。今季初のホームゲームを戦う栃木SCは、栃木県グリーンスタジアムに東京ヴェルディを迎えた。後半早々に榊翔太がPKを決めて先制するも、その後に佐藤優平に同点弾を浴びて、1-1の引き分けに終わった。

上写真=先制点を奪いながらも勝ち切ることができず、試合後に肩を落とす栃木の選手たち(写真◎J.LEAGUE)

■2020年7月5日 J2リーグ第3節(@栃木グ)
栃木 1-1 東京V
得点:(栃)榊翔太
   (東)佐藤優平

栃木メンバー◎GK塩田仁史、DF溝渕雄志(90分:柳育崇)、高杉亮太、田代雅也、瀬川和樹、MF明本考浩、岩間雄大(65分:禹相皓)、佐藤祥、森俊貴(71分:和田達也)、FW榊翔太(65分:エスクデロ競飛王)、矢野貴章

東京Vメンバー◎GK柴崎貴広、DF若狭大志、高橋祥平、平智広、MF山下諒也、佐藤優平、井上潮音(46分:森田晃樹)、奈良輪雄太、藤本寛也(51分:福村貴幸)、井出遥也(83分:藤田譲瑠チマ)、FW端戸仁

ここまで未勝利も指揮官は手ごたえ

 今季のJ2開幕から4カ月が経ち、ようやくホーム開幕戦を迎えた栃木。バックスタンドにはサポーターの顔写真が掲出され、また試合が始まると、普段は黄色く染まるゴール裏スタンドのスピーカーから応援歌が流れ、栃木県グリーンスタジアムに響き渡った。無観客試合ながらも、ホームチームを後押しする工夫が施された。

 その中で迎えた東京Vとの一戦。栃木は序盤から一気呵成に相手陣内に攻め込んだ。18分にはFW榊翔太のフリーキックがポストを叩くなど、東京Vゴールに迫った。ただ、スコアを動かせずにいると、徐々に東京Vにボールを支配される展開に。東京Vのパス回しに対し、自陣でブロックを築いてはね返す時間帯が続き、前半はスコアレスで終えた。

 後半に入ると、立ち上がりの49分に栃木が先制点を奪う。敵陣で相手のパスをカットしたMF明本考浩がシュートを放つと、ゴール前でブロックに入った東京VのDF高橋祥平のハンドを誘い、PKを獲得。高橋はこの反則で退場となり、栃木は数的優位となる。直後に榊がPKを決め、スコアが動いた。

 ところが、リードはわずか8分しか続かない。57分に東京VのMF山下諒也にサイドを突破されてクロスを上げられると、そのボールはDF福村貴幸へと渡り、最後はパスを受けたMF佐藤優平に鮮やかなミドルシュートを決められた。

 その後、両者とも追加点を狙うも決め手を欠き、1-1のままタイムアップを迎えた。「リモートマッチということでお客さんはいなかったけれど、ホームでの初戦ということで、勝ち点3を届けたかった。勝ち点3を取れた試合だったな、というのが率直な感想」と、試合後に栃木の田坂和昭監督は残念そうな表情を浮かべつつも、「良い兆しは出てきている」と手ごたえも口にした。

「攻撃では良い形で(ボールを)奪ってから(PKにつながり)点を取りました。そのほかにも何度かいい形でチャンスを作れていた。追加点を奪えなかったことは次への課題かなと。守備でも前回(第2節・山形戦)から修正して、前から(プレスに)行けるようになりました。我々としてはハードワークしながら守備をして、ボールを奪ってショートカウンターで行くと。今日みたいに(敵陣に)押し込んだ状態から、どう崩していくか。そういうところも考えていかなければいけないのかなと思っています」(田坂監督)

 ここまで3試合を終え、未勝利が続く栃木だが、再開2戦目の内容は上々のようだ。次節は7月11日、今季初勝利を懸けて千葉との一戦に臨む。

現地取材◎サッカーマガジン編集部 写真◎J.LEAGUE