6月27日、明治安田生命J2リーグが125日ぶりに再開。アウェーでザスパクサツ群馬を下した水戸ホーリーホックで輝いたのが、松崎快だ。再開初戦でチャンスをつかんでJデビュー、多くの好プレーを見せている。

上写真=東洋大学出身のルーキー松崎がJデビューを飾った(写真◎J.LEAGUE)

■2020年6月27日 J2リーグ第2節(@正田スタ)
群馬 1-3 水戸
得点:(群)進昂平
   (水)中山仁斗2、ンドカ・ボニフェイス

・群馬メンバー◎GK清水慶記、DF岩上祐三、岡村大八、渡辺広大、高瀬優孝(57分:飯野七聖)、MF平尾壮(83分:中山雄登)、内田達也、宮阪政樹、田中稔也(74分:進昂平)、FW加藤潤也(83分:岡田翔平)、林陵平

・水戸メンバー◎GK松井謙弥、DF前嶋洋太(80分:乾貴哉)、ンドカ・ボニフェイス、細川淳矢、外山凌(87分:住吉ジェラニレショーン)、MF松崎快(70分:山口一真)、安東輝、山田康太、木村祐志(70分:森勇人)、FW奥田晃也、中山仁斗(87分:アレフ・ピットブル)

「結果を常に出さなければいけない」

 大宮アルディージャユース、東洋大学でプレーし、今季から水戸ホーリーホックの一員となったMF松崎快がJデビューを果たした。右サイドハーフの位置で先発し、70分間にわたってピッチ上を走り続けた。

 試合が終わると自身のデビュー戦について、「(相手のマークの)1枚目をはがすところは何の問題もなくやれていた。問題はセカンドタッチが流れてしまっていたので修正しなければいけないし、もう少し守備面も改善が必要」と振り返った。

 秋葉忠宏監督は松崎をスタメンに抜てきした理由について、「サッカー大好き小僧で、試合に出たくて仕方がないという気持ちをトレーニングから出してくれた。実際に紅白戦でもかなり良いパフォーマンスを見せてくれた」と明かす。足元のテクニックに優れる左利きのルーキーは、前半から指揮官の期待に応えるように、随所に輝きを放った。「昨日まではそんなに緊張していなかったけれど、今日は“試合か”と考えたときに、わりと緊張して、少しフワフワしていました」と言うものの、11分に最初の見せ場を作る。FW奥田晃也からのパスを受けてスルスルとペナルティーエリア付近までドリブルで進入し、左足を一振り。「バチン」と強烈なインパクトの音を観客のいない正田醤油スタジアム群馬に響かせたシュートは枠をとらえるも、ザスパクサツ群馬のGK清水慶記の好守に阻まれた。

「(試合の)最初のファーストタッチくらいのときに前を向いて、バイタル(エリア)で仕掛けてシュートを1本打てたのは、自分にとって大きかった。あれを決めきれないと、チームは苦しい戦いになると思うけれど、試合の入り方という意味ではあれで多少、緊張はやわらいだのかなと思います」

 陣地が変わった49分には、縦へ突破して利き足ではない右足でゴールを狙った。70分にFW山口一真と交代してピッチを退くまで、持ち前の攻撃力を存分に示した。それでも、チャンスを生かしきれなかったことには悔しい表情を浮かべる。

「チャンスを作れていた中で仕留める力というのは、練習でも秋葉監督に一番、口酸っぱく言われていること。自分が上に行くためにも、チームとして行くためにも、やはり結果を常に出さなければいけない。特にプロではそれを求めていかなければいけないと思います」

 27番を背負う若きレフティーは、次戦でもどん欲に結果を求める。

取材◎サッカーマガジン編集部 写真◎J.LEAGUE