Jリーグが帰ってくる。J1は7月4日から、J2とJ3は6月27日からリーグが再開(開幕)する。4カ月間、待ち望んだ試合を前に、サッカーマガジンWEBも参加する「DAZN Jリーグ推進委員会」で、18媒体横断企画を実施した。全56クラブの選手・監督・関係者にインタビュー。「THIS IS MY CLUB-FOR RESTART WITH LOVE-」をテーマに話を聞いた。ファジアーノ岡山から登場するのは、岡山一筋12年目の守護神・椎名一馬。口にする言葉には、クラブ愛とJ1昇格に懸ける思いが詰まっている。

「選手がファン・サポーターを応援する」

椎名は取材中、ファン・サポーターへの感謝の思いを何度も口にした(写真◎ファジアーノ岡山)

――リハビリが始まってから自身のインスタグラムのアカウントを開設して、新型コロナウイルスによる自粛期間中にはファン・サポーターへのメッセージ、J2の再開が決まってからはチームのチャントを歌う動画などを、たくさん公開していますね。

椎名 SNSはあまり積極的にやっていなかったのですが、いまケガをしているし、新型コロナウイルスの影響でファン・サポーターの皆さんも、応援したくてもできないモヤモヤがあると思って、何かできることはないかと思って始めました。いつもなら、試合が見たい、応援したいという気持ちをエネルギーに、仕事や学校を頑張っておられると思いますが、その楽しみがない日が続き、悲しい、つらい思いをしているんじゃないか。クラブでも皆さんが『おうち時間』を楽しめるように、いろいろな情報を発信していて、少しでもファジアーノのことを思う日があればいいと思い、自分でも発信しています。試合のときは自分たちが応援される側ですが、いまは逆に選手が、ファン・サポーターの皆さんを応援できると思っています。

――SNSへのメッセージもたくさん寄せられているのではないですか。

椎名 そうですね。最初は「無理せず、ゆっくりケガを治してください」といったメッセージが多かったですが、最近はひざの心配よりも「ありがとうございます。元気が出ました」みたいな、お礼の方が多いです(笑)。

――今季の目標はもちろん、J1昇格ですね。

椎名 日程が詰まっているので、あっという間に数カ月たって、気付いたらJ1に昇格できるか、できないかという時期になっていると思います。試合の間隔が短ければ修正能力も問われますし、苦しい時期は絶対にあるので、そこで早く立ち直り、J1昇格に向かっていけるのか、それを見るのが楽しみです。自分もケガをしましたが、中断期間があったぶん、復帰できるチャンスもあると思っています。あきらめていないですし、早く復帰して、試合に出てチームに貢献したいです。

――最後に、ファン・サポーターの皆さんへのメッセージをお願いします。

椎名 選手は最後まであきらめず、何があっても最後まで戦う姿勢を見せて、今季の37人全員で、J1に昇格するために毎試合の90分間を戦っていきます。皆さんも苦しい思いをされていると思いますが、一緒に頑張っていきましょう!

取材・構成◎石倉利英 写真◎ファジアーノ岡山

◎Profile
しいな・かずま◎1986年8月26日生まれ、千葉県出身。流通経済大から2009年にファジアーノ岡山に加入して以来、岡山一筋で今季が12年目のGK。俊敏な動きを生かしたダイナミックなセーブ、チーム全体を動かす声が持ち味で、盛り上げ役も担うムードメーカーでもある。178㎝、74kg