6月2日から全体トレーニングを再開し、2週目を迎える京都サンガ。10日の午前練習後、就任1年目の實好礼忠監督がチーム現況と再開後の戦い方について語った。

上写真=マスク姿で取材に応じた實好監督

目指すは攻撃サッカー

 全体トレーニングを再開した当初はコンディションにばらつきが見られたものの、今週からは練習の強度も上がっている。實好監督は確かな手応えを口にしていた。

「きょうは負荷のかかるトレーニングをしました。みんなアグレッシブにやってくれていて、先週と比べるとレベルアップしています」

 6対6の対人練習では球際で激しく争い、攻守の切り替えも素早かったという。気温30度に迫るなかでも、選手たちはハツラツとしていた。

「暑さでバテている選手は誰もいません。すべてバチバチです」

 練習中の接触プレーも増えているが、選手たちはスポーツ用のマスクを着用し、感染防止対策は抜かりない。多少呼吸が苦しくても、實好監督は「これもトレーニング」と前向きにとらえている。

 リーグ再開に向けて、すでに中断前に積み上げてきた戦術はおさらい済み。選手たちにもしっかり浸透しているようだ。

「不安はないです。整理できています」

 今季はタイトなスケジュールの中での連戦は必至。選手とは個別にコミュニケーションを取り、メディカルを含めて万全のケアをしていく。同じメンバーで戦い抜くは難しいことも想定している。

「トレーニングでいい選手を使っていく。チームとして戦っていければいい。状況に応じて、いい準備をしていきたいです」

 ただ、開幕前のキャンプから準備してきた基本の戦い方を変えるつもりはない。今季は攻撃力のあるタレントがそろっており、個性を引き出すことでチーム力を上げることに心を砕く。

「守備の時間よりも、ボールを持っている時間を長くしたい。自分たちのスタイルを出していきます」

 新生サンガの挑戦は、まだ始まったばかりだ。

取材◎杉園昌之