この連載では再開後のJリーグでさらなる活躍が期待される各クラブの注目選手を紹介していく。連載第21回はジェフユナイテッド千葉で加入2年目を迎え、今季の開幕戦でアシストを記録したMF、堀米勇輝について綴る。

本来は多芸多才のプレーヤー

堀米の正確な左足キックはチームにとっても大きな武器なりそうだ(写真◎J.LEAGUE)

 本来はクロッサーという特定の枠にくくられるようなタイプではない。

 右から、中央から自在に仕掛け、繊細なラストパスを放ち、カットインからゴールを陥れる多芸多才の人だ。仕事場が左に変わっても、そうした持ち味が失われるわけではない。

 背後に控えるサイドバックの安田理大と高密度で連動し、左からの攻め手をバリエーション豊かなものにするだろう。何をやるか、守備側は的を絞りにくい。だからこそ、あの鋭いクロスが生きてくるというわけだ。
 
 いや、分かっていても止められない。

 それくらい強力な武器だろう。敵の築いた防壁をやすやすとかいくぐり、味方の頭に吸いついていく。そんな芸当を1試合に何度もやってのける選手などそうはいない。黙っていても、クレーベと川又のゴール数は増えるはずだ。

 ヴァンフォーレ甲府から加入して2年目。あえて生まれ育った地元を離れ、千葉にやって来た。主力の一角として存分に力を尽くし、初のJ1の舞台へ。そうした固い決意と覚悟がピッチ上から伝わってくる。

 この先、確かな手腕を持つユン監督の下で昇格争いの切り札となるかどうか。打ち出の小槌のような左足を振るたびに、それが現実味を帯びてくるはずだ。そして、J1昇格も――。

Profile
ほりごめ・ゆうき◎1992年12月13日生まれ、山梨県出身。ヴァンフォーレ甲府の下部組織で育ち、2011年にJリーグデビュー。攻撃センスとスキルフルなプレーが特長。2013年途中からはJ2の熊本や愛媛、京都でもプレーした。19年に甲府から千葉に加入。2年目の今季にかける思いを強い。MF。168㎝、63kg