ツエーゲン金沢を1-0で下した2月23日のJ2リーグ開幕戦で、決勝点をアシストしたファジアーノ岡山MF上田康太。満足の出来ではなかったと振り返りつつ、今後のレベルアップには確かな手応えがあると語った。

上写真=23日の練習でも鋭い動きを見せていた上田(写真◎石倉利英)

0-0の均衡を破る決勝アシスト

「自分の出来は、まだまだでした。もっと中盤でミスなくやらなければいけなかったし、もっと危険なパスを出していかないと」

 ツエーゲン金沢に1-0で勝って白星スタートを切ったJ2リーグ開幕戦を、ファジアーノ岡山MF上田康太は、こう振り返った。ボランチの一角で攻撃を組み立てつつ、80分にはCKから鋭いボールを中央に送ると、DF濱田水輝がヘッドで触ったこぼれ球をFWイ・ヨンジェが押し込み、決勝点をアシスト。勝利に貢献したものの自己評価は厳しく、「開幕戦の緊張感もあったので、セーフティーにいったところがあった」という。

 とはいえ、「その中でも勝つことができた。次からもっと良くしていける自信はあるので、あまり悲観はしていません」ときっぱり。スコアレスの均衡を破ったCKについても、「硬い試合になっていたけど、粘り強く戦えていた。絶対に1本チャンスが来ると思っていたので、中央が良い入り方をしてくれてよかった」と笑顔を浮かべた。

 2014年に1年間、期限付き移籍でプレーした岡山に、18年に完全移籍。中盤の主軸として欠かせない存在となったが、加入2年目の昨季は4月に左大腿部を肉離れして3カ月間、戦列を離れている。それだけにコンディショニングには細心の注意を払っており、「去年ケガをした後から、より意識を高く持って、水分も多く取るようにしました。もうケガはしたくないので」と語る。

 全42試合のJ2は、まだまだ序盤に過ぎない。長い戦いの中で求められる、大事なことも理解している。

「積み上げていく中でも、結果は出していかなければいけないので、結果にこだわりながら積み上げていければいい。毎回良いプレー、良い試合をするのは、そんなに簡単なことではない。自分たちの良さが出せないときでも、勝ちを拾っていかなければいけない」

 結果を出しながら内容を向上させ、クラブの悲願であるJ1昇格に向けて歩みを進めていく。取材後に3月15日開催予定分までのJリーグ全公式戦の延期が決まり、今後のスケジュールなどで大幅な変更を余儀なくされても、その思いは変わらないはずだ。

文◎石倉利英 写真◎石倉利英