※上写真=殊勲の決勝ゴールを挙げた田中
写真◎J.LEAGUE PHOTOS

■2018年11月11日 J2リーグ第41節
栃木 0-1 松本
得点者:(松)田中隼磨

 松本がアウェーで勝ち点3を奪い、首位で最終節を迎える。試合は前半から、今季のホーム最終戦を勝利で飾りたい栃木に攻め込まれるも、守備陣が踏ん張り、0-0で前半を折り返す。迎えた72分、左サイドを突破した石原崇兆のクロスを、ペナルティーエリア内にいた田中隼磨が左足でゴールに蹴り込み、これが決勝点に。2位大分、3位町田に勝ち点1差で首位を走る松本は、ホームで迎える最終節・徳島戦(11月17日)に勝てば、他会場の結果に関係なくJ2優勝とJ1昇格が決まる。

「僕たちは、絶対に勝つんだ」

【動画】首位松本が栃木に勝ち、J2優勝&J1昇格に王手! 田中隼磨が値千金の決勝弾!

 ゴールネットが揺れた瞬間、田中隼磨は両手の拳を握り、喜びを爆発させた。

「石原(崇兆)が良い形で折り返してくれた。とにかく気持ちで押し込んだゴールです。危ない場面はたくさんあったけれど、体を張って防ぐことだったり、僕たちらしいなと感じました。1-0で勝つのが、山雅らしいサッカー」

 田中が挙げた1点を守り切り、松本が敵地で貴重な勝ち点3を手に入れた。

 混戦のJ2リーグも最終盤を迎え、優勝、J1昇格争いともにし烈を極める。前節時点で2位だった大分が前日に勝利し、試合前は勝ち点で抜かれていた。

「他の試合結果も耳に入っていたけれど、僕らができるのは勝ち点3を取ることだけ。今日、僕たちは“絶対に勝つんだ”という強い気持ちで臨み、こうして結果を出せてよかった」と、首位の座を奪回できたことを喜ぶ。

 だが、まだリーグ戦は終わっていない。激闘を終えた直後でも、すでに視線は最終節に向いている。

「順位表の一番上にいるのは僕たち。とにかく自分たちが勝つことで、優勝できるし、昇格もできる。明日からまたソリさん(反町康治監督)の厳しい練習が始まるけれど、練習で100%を出して、山雅らしいサッカーで勝つことだけに集中する。まだこのチームはタイトルがないので、優勝して、J1に上がり、みんなで喜びを分かち合いたい」

 2015年シーズン以来となるJ1の舞台へ向け、松本の“背番号3”がチームをけん引する。

取材◎小林康幸