■2018年8月18日 J2リーグ第29節
東京V 0-0 大分

8月18日のJ2第29節で、味の素スタジアムで行なわれた6位・東京Vと2位・大分の上位対決は、0-0の引き分けに終わった。ホームでの連勝が止まった東京Vだが、手応えのある勝ち点1となったはずだ。

東京Vの泉澤と大分の丸谷が激しくボールを奪い合う 写真◎J.LEAGUE PHOTOS

東京Vは主力2人を欠くも好感触

序盤に勢いをつかんだのは、ここ3試合で10得点を挙げている大分だったが、前半終盤に流れが落ち着き、さらに後半に入ると完全に風向きが変わった。後半開始から、東京Vは前半の3-5-2から、守備時には最前線の泉澤仁が左サイドを埋める5-4-1へとフォーメーションを変更。梶川諒太が「プレスをかけても、かいくぐるのがうまいチームなので」と話したように、大分にむやみに“走らされず”に、「しっかり我慢」(奈良輪雄太)の守備がはまるようになった。

すると、守備のリズムが攻撃につながった。シャドーの位置から前線へと斜めに走り込む佐藤優平の動きや、泉澤の個人技が連動するようになる。おかげで前半は狙いどころにされていたドウグラス・ヴィエイラへのくさびのパスも通るようになり、前半は3本どまりだったシュートも7本にまで増加した。

結果的にはスコアレスドローで終わり、試合終了の瞬間、スタジアムは静まりかえった。しかしながら、互いに試合終了の瞬間まで引き締まったサッカーで勝ち点3を狙い続けた、濃密な内容の試合となった。

また、東京Vで特筆すべきは、前節まで全試合に出場した2人を欠いていたことだ。畠中槙之輔は数日前に横浜FMへと移籍し、渡辺皓太はU-21日本代表としてアジア大会に参加している。逆にキレを見せていた泉澤は、追加登録からまだ1カ月。佐藤は「仁のドリブルは武器になる」と好感触を語った。

同じくボールを持ちたい大分との“相性”が生んだとも言える、この日の好勝負。結果も含めて、今季のJ2も最後の最後まで、大接戦が続くことを続くことを予感させた。

文◎杉山孝